バイクCarPlayをジャイロキャノピーに取り付けた話(SPDA-07B)

日本でも4輪車の方では既に出回り始めているCarPlay。
2輪用はまだ中華製品を漁るしかなかったものの、去年半ば頃に対応品がデイトナから発売されたことでようやくバイク環境でも安心して使えるようになった。

とはいえデイトナのモトスマートモニターはドラレコ機能等も付加したせいか6万円オーバーとお高め。発売前後という狙ったかのようなタイミングで機能をCarPlayに絞った5インチのナビを三金商事が3万円で発売し、「もうこれでよくね?」感が演出されるという事態に。

今回はその三金商事の7インチ版(SPDA-07B→Amazon)を購入したのでさっくり感想。
あと前々から調べてたCarPlay周りの仕様もまとめておく。

「ナビしないナビ」という新ジャンル

取り付け後、CarPlayのダッシュボードを表示。
使用している音楽App・現在地周辺の地図等が分かりやすく表示されている

あくまで本機にGPSやナビ機能その他は入っておらず、接続したスマートフォンと連動してナビ機能・オーディオ機能等を使えるようになる。そのため正確には本機はナビではなく、ディスプレイオーディオと呼ばれるジャンルに属する。AndroidAutoにも対応するが、今回は省略。

本体左側にUSB-Bメス端子があるので、専用の変換ケーブル(Bメス-Aメス)と合わせてiPhoneと有線接続可能。これは有線でのCarPlay接続に使用可能な他、微量ではあるが電源供給に使えたりする。
もちろんワイヤレスCarPlayも使用可能で、基本的にはワイヤレスをメインに使うことになる。Bluetoothで検知接続→Wi-FiDirectに切り替えというApple製品ではお決まりのコンボで、接続に使うWi-Fiの周波数は2.4GHz/5.2GHzで切り替えが可能。
5.2GHzの屋外利用は車内限定のため、バイクだと思いっきり電波法違反になることに注意。5.6GHz帯使わせろ

車載ナビらしい大画面と、iOSベース故のソフトウェアの利便性が魅力のジャンル。
5インチ機でももちろん便利だけど、現代機種より小さくなってしまう(一応12mini/13miniよりは見やすいがもう現行ではない)ので「スマホを付けた方が快適」となってしまいやすいのが難点。せっかくディスプレイオーディオを設置するなら、最低でも7インチ以上の機種を導入したいところ。

なおタッチパネル操作には静電容量方式対応=スマホ対応の手袋が必須とされているものの、試した限りスマホ非対応の分厚い手袋ですら操作可能だった。
もしかしたらWiiUGamePadとかみたいな感圧式ベースなのかもしれない。どちらにせよバイクの冬場ではかなり助かる仕様。

iPad mini(第6世代,8.3インチ)との比較。
流石にiPadminiの洗練されたデザインには及ばないものの、7インチがそこそこ大画面であることが分かる

取り付け注意点

電源はバイクのバッテリーのACC電源(キーON電源)から取るか、USB-A(5V/2A以上必要)から取るかのどちらかになる。電力は10Wほど、一般的なスマホ充電用USB端子としても低い水準なのでバッテリーへの負担も大きくない。
もしあるならバイクのUSBポートを使うのが最短。わたしのジャイロキャノピーはUSB-C PD18W電源を確保してあるので、素直にUSB-Aに変換して給電した。

本体には電源ボタンが存在するが、基本的に押すことはない。設定を済ませておけば、通電(=バイクのエンジン始動)した時に自動で起動しCarPlayの接続まで完了する。

バイクのUSB電源を割くことでスマホ用の電源が失われる場合でも、スマホを取り出さずに済むことを考えればUSB電源を使ってしまうのが無難。
一応耐水性を考慮する場合はバッテリーから配線する方がいいので、この辺りは己の技術力やショップ取り付け工賃と相談。なおジャイロキャノピーではほとんどの雨を弾くので気にならない。

とはいえジャイロキャノピーはジェネレーターが優秀で電源は比較的取りやすいらしいので、せっかくなら全部バッテリーから取ってしまおうかと検討中。あるいはナビ専用にUSB-Aを別途増やすか。
スマホスタンドも残しているし、13miniを爆速で充電可能なPD18Wは今後頼ることがあるかもしれない。

どうやっても電源が取れない場合、最悪モバイルバッテリーでも十分に機能する。
消費電力が10Wほどなので、40000mAhのモバイルバッテリーで15時間前後動作する計算。日常使用なら10000mAhのバッテリーで3時間以上駆動するので、モバイルバッテリーの設置場所を確保した上で毎晩の充電さえ忘れなければ問題なく使える。

CarPlayの各種仕様・利便性

相変わらずAppleのこういう類の機能は細かい仕様説明が少ないので、その辺りの検証結果も添えつつ。

Bluetoothリモコンとの組み合わせ

バイク用CarPlayにリモコンなんてあるはずがないので、今回は一般的なスマホ用Bluetoothリモコンを組み合わせた。防水IPX6でUSB-C給電のバッテリー式、フル充電なら1.5年使用可能。Amazonでお値段3000円ほど(→リンク)。

有線CarPlay用のUSBポートを使い給電が可能で、晴れの日の走行中に刺しておくだけでバッテリー切れをほぼ起こさなくなる。雨の日はナビ/リモコン共に端子部から水が侵入する恐れがあるので充電は控えた方がいい。
音楽再生/停止/音量調節が可能。通話のコントロールやSiriの起動も。
ちなみにSPDA-07Bには接続不可能だったので、iPhoneに直接繋ぐしかない。インカム対応機ならいけると思ったのに・・・

赤く光っているのが充電中のサイン。
基本充電しっぱなしで使えるので便利

音声出力の挙動

CarPlayはAirPlayと同じように、常時Wi-Fiで音声を飛ばし続ける。CarPlayは何故か強制力が強く、基本的にどんな音声/どんな状況でも接続した瞬間CarPlayへの出力に切り替わる。
一応SPDA-07Bにもスピーカーが内蔵されているのでそこから再生されることになるが、お察しの通りお粗末な上に風音でまず聞き取れない。
SPDA-07Bはヘッドセット接続用にBluetoothがもう1系統確保されており、基本はそちらに別途Bluetoothイヤホン/インカム等を接続することになる。

CarPlayとiPhoneは音量が別管理となっており(Macの光デジタル出力のような挙動)、iPhone本体やBluetoothリモコン等を用いても音量変更は不可能でちょっと不便。

AirPodsとの組み合わせ

実はCarPlay接続した後にiPhoneから操作すれば出力先の切り替えが可能で、上手く使えばAirPods等のBluetoothイヤホンも併用出来る。この場合はiPhoneと同じ方法(音量ボタン・AppleWatch・Bluetoothリモコン等)で音量変更も可能で、再生中曲の表示を含めたCarPlayの動作も全て継続する。
とはいえバイクでCarPlayと接続するタイミングはiPhoneがポケットの中だったり手袋をしていたりで、大抵はiPhoneを触れる状況にない。なので「CarPlay接続時にAirPodsを接続する」オートメーションを設定しておくと楽。

この設定を済ませることで、以後CarPlayに接続されるたびに音声がCarPlayに切り替わる→即時にオートメーションが作動し音声がAirPodsへ切り替わる、という挙動を取るようになる。CarPlayへの接続と出力切り替えは同時であり、オートメーションが作動するのは条件を満たした少し後のため、順は前後せず必ずこの挙動を取る。
もちろんCarPlay接続時にAirPodsを装着していることは必須。AirPods特有の切り替え機能のお陰で、直前に他デバイスに接続していたとしても問題なく繋がる。

しかしこの状態も、AirPods以外を使用する動作をした瞬間に解かれてしまう。
具体的には「AirPods以外でSiriを起動する」「AirPods以外で音楽を再生開始する」等。Bluetoothリモコンで音楽再生を開始するとアウトだが、AirPodsに繋いで再生を事前に始めておきBluetoothリモコンで選曲することはOK。
地味にBluetoothリモコンでSiriを起動するとアウトなのが気になる。HeySiri使わずに済むようにリモコン買ったのに……

ふとした拍子にCarPlayからの音声出力に切り替わるので、何らかの手段で戻せるようにしておくといい。
オートメーションと同じようにAirPodsに接続する単発のショートカットを作成しておき、Siriでそれを起動するのが最も手軽。その他に、AppleWatchの再生中Appを用いて切り替えが可能。
もちろんAirPodsの軸を押すことが出来ればAirPodsで再生が開始する。ヘルメットの中にあるだろうから停車時に限られるけど。

全ての設定を済ませておけば、AirPodsを装着してバイクのエンジンをかけることでCarPlayが自動で立ち上がりAirPodsから音が流れるようになる。
iPhoneは鞄やポケットから取り出す必要もないため、かなり手軽。

Homekitガレージとの組み合わせ

CarPlay導入の地味なメリットとしてHomekitガレージとの組み合わせがある。
ガレージは住居の侵入を許す可能性のある機器であるため、Homekitで開ける時にはiPhoneのロックが解除されていることが必須となる。ロックされたままSiriで開ける指示をしても、「iPhoneのロックを解除してください」と言われるだけで開くことはない。逆に閉める時はロックされていても問題なく閉められる。

しかし自動接続を有効にしたCarPlayは車のキーによって起動する仕組みのため、基本的に安全だと判断されガレージを開ける条件が緩くなる。
位置情報が自宅と近い時はダッシュボードにガレージのアイコンと状態が表示され、このアイコンをタップするかSiriに頼むことでiPhoneのロック状態を問わず開けることが可能。
逆に自宅と距離がありダッシュボードに表示されていない時は、Siriに頼んで開けようとしてもiPhoneのロック解除を要求される。
位置情報とダッシュボード表示の条件さえ満たしていれば、SiriはCarPlayに限らずAirPodsで起動してもiPhoneのサイドボタンで起動しても構わない。(CarPlay接続時はどの方法でもSiriの聞き取りアイコンがCarPlay上に表示される)

これらは実機検証したデータであり、公式に問い合わせても「分からない」と返された内容なので、細かい仕様がどうなっているかは不明。
基本的には家に近付くだけで条件を満たせるため、到着直前に音声操作orナビの画面でガレージを開けることができ非常に快適。

Homekit対応には今回merossのMSG100HKを使用。既存の電動オープナーに配線が必要なものの、クラウドに頼らずLAN内で動作するため非常に安定感がある。どこぞのクソチェンバレンみたく突然サポート切ったりもしないし
日本のAmazonでも購入可能だが、US版Amazonで購入する方が安上がり。(→日本版リンク)

またHomekit対応をHomebridgeに任せる方法もあり、最近はmyQの3rdAPI廃止の影響でratGDOと組み合わせたプラグインが開発されている。
Homekitに素で対応したガレージは多くなく日本での入手は絶望的なため、基本的にはmerossオープナーかratGDO+Homebridgeの組み合わせになる。

Homekitは基本的にLAN内動作をベースとしており、Apple以外のクラウドに依存しないため長期的な運用が見込めるのも魅力。
Matterも大体似たような仕様のため、Homekit対応さえしていれば無理にMatter対応を狙う必要もない。(というか現状Matter自体がHomekit対応機器を増やす規格でしかない)

更なるエコシステムの拡大

Homekit・AirPods・CarPlay、3種全て揃えておくことでバイクナビとガレージまでが非常にシームレスに扱えるようになる。
HomekitはAirPlay2との連動要素も多く、Matter規格の登場・SwitchBotハブの対応もあってより一層存在感を増してきている。

Appleユーザー的にはこういう連携が増えるごとに綺麗にまとまっていくので、次は何を導入しようかと考える良いきっかけにもなる。
とりあえずHomekit/AirPlay/CarPlayの環境はほぼ完成したので、一旦WWDCを待ってから考えようかなとも思う今日この頃。

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