
4年間使った第2世代AirPodsが限界を迎えていたので第3世代に買い替え。
主にバッテリー劣化がひどく通話を始めると5分もかからずバッテリーが切れ、音楽再生も1時間すら保たない。バイク走行のお供にしているとよく途中で切れてしまい、バッテリー交換費用も両耳15000円と高額なので新規購入の道を選んだ。
第2世代と変わらずイヤーピースを使わない設計で、軽い装着感が魅力。
第2世代も併売されているが、各種進化点を踏まえると第3世代を購入する理由はそれなりにはある。
無印第2世代からの変更点
第2世代と変わらず、Apple製品間での接続自動切り替えと高音域強化が可能なヘッドフォン調整に対応。マイク品質も相変わらず高く、軽い操作感と合わせて通話用途にも向く。

イヤホン単体でのバッテリー持続時間が第2世代の5時間から6時間へと延長され、ケースはMagSafeに対応。従来通りQi規格やLightningでも充電可能だが、MagSafe充電器を使うと位置ズレを起こさなくなるため、無線充電対応デバイスの中で小型な部類のAirPodsではありがたい変更点。
また「探す」ネットワークにも対応し、正確な位置情報の追跡が可能。ケースに収納されていないと探せなかった第2世代と違い、イヤホン単体で紛失しても探せるため安心。
デザイン変更。軸が短くなり、操作方法も感圧に
軸が長くダブルタップで1種類の操作を割り当てられた第2世代から大きく変わり、初代AirPodsProのようなデザインと操作方法に変化。
軸を1回押しで再生/停止/通話応答、2回押しで次の曲/3回押しで前の曲/長押しでSiri起動。AirPodsProと違ってアクティブノイズキャンセリングは搭載していないため、軸長押しの動作はSiri起動で固定。通話切断は1回押し/2回押しから選択可能。
操作方法が増えて選曲が簡単になったため、ながら聴きに向く軽い装着感との相性は良い。代わりにダブルタップの手軽さを失っているため一長一短。
H1チップの仕様変更は特にないため、操作感の好みで第2世代/第3世代を選んでしまって構わない。
単純に軸が短くなったため、ヘルメットの中で装着する際にヘルメットのクッションに押さえつけられにくくなっているのは利点の一つ。ただし普段使いにおいては、軸の長さ自体の恩恵はあまりない。
音の変化。低音が強化され、空間オーディオにも対応
AirPodsProと同様、アダプティブイコライゼーション機能を搭載。名前だと分かりづらいが、装着具合を検知して音質を調整する機能らしい。
低音が一部抜けてしまっていた第2世代と比べ、きちんと表現されるようになっている。効果としてはほぼこれだけだが、音の印象はかなり変わっている。
空間オーディオにも対応。AirPods Maxの記事でも説明した通りステレオ空間化の恩恵はかなり大きいが、ヘッドフォン調整やイコライザを合わせて高音域を強化すると音が掠れてしまう。流石に高音域の解像度を突き詰めるとイヤホンの限界に引っかかってしまい、ヘッドフォンであるAirPodsMaxほどの体感音質は得られない。
また両耳での使用を前提としているのに、何故か片耳でも空間オーディオが有効になってしまう。そのため片耳に切り替えても空間オーディオの設定が維持されてしまい、いちいちコントロールセンターから選択する手間が生じる。
これは空間オーディオ非対応の第2世代では起こらないため、寧ろデメリットになっているかもしれない。
そもそもの話、アクティブノイズキャンセリング搭載のAirPodsPro/Maxと比べて音楽を聴き込む用途には向かないのも事実。
ながら聴き重視の無印AirPodsにとって、音質強化にコストをかける理由はそれほど大きくない。
購入する価値はある?
率直に言ってしまえば、大半の人間にとって購入する価値はない。無印第2世代からの変化が少ない割に価格が27800円(MagSafeケース付き)まで跳ね上がっており、第2世代で足りてしまうことの方が多い。
またAirPodsProに第2世代が出た影響で、AirPodsPro初代の割引が各所で行われているのも大きい。無印第3世代と同じく自動切り替え・空間オーディオとアダプティブイコライゼーションを備えPro初代はアクティブノイズキャンセリングもついてくる上、価格はMagSafeケースのAirPods第3世代と大きく変わらない。

そもそも中古相場が1万円台前半まで下がったPro初代を差し置いて、あえて無印を選択する理由はほとんどない。イヤーピースがないことによる開放感はProの外音取り込みでほぼ代用が効き、敢えて無印を選ぶ理由は着け心地の一点に集約される。
かなり限られた需要であることは確か。
無印・Pro・Maxの使い分け
まずAirPodsMaxや他のアクティブノイズキャンセリング搭載ヘッドフォンを所有している場合、スピーカーを使えない環境で音楽を聴き込む用途ではヘッドフォンを使うのが無難。また音ゲー等で無遅延を求めるなら、アクティブノイズキャンセリングを使いつつ有線接続可能なAirPodsMaxは快適。またSONYやBeats等のハイエンドのヘッドフォンの大半は、アクティブノイズキャンセリングと無遅延有線接続の両立に対応している。
ヘッドフォンを所有していない場合でも、AirPodsProもイヤホンの中では優秀な選択肢となる。ただしこちらは当然有線接続が不可能で、遅延対策が出来ないためゲームには向かない。
そしてヘッドフォンを所有している人にとって、それらを差し置いてAirPodsProを使う理由は重量感。ポケットに収まる持ち運びの手軽さと、着けている際の頭部への負担という2点において、AirPodsProに優位性がある。短時間の外出でアクティブノイズキャンセリングを求める場合は、ヘッドフォンを持ち歩かずともAirPodsProをポケットに忍ばせておけば十分。比較的小型なので、睡眠時の耳栓代わりやASMR等を聴くための寝ホンにもなる。

この2つのどちらにも当てはまらない、アクティブノイズキャンセリングを使わずにながら聴きをする場合にのみ、無印AirPodsの利点が生まれることになる。
職場や図書館等、音が出せない環境でもBGMとして用いることが出来るのは無印AirPodsの利点。電話が掛かってくればそのまま受けられる。
また外音取り込みは風音等を強く再生してしまうため、バイクや自転車に乗りながらの片耳使用では無印AirPodsに軍配が上がる。HeySiri機能も運転中にハンズフリーで操作するために使えるため、高性能インカムとしての役割も期待出来る。なお片耳イヤホンが法的に許可されるかは自治体によるので要確認。
ワイヤレスイヤホンの買い替えペース
AirPodsは使い込むと最大音量が徐々に低下(=パーツが劣化)してくるが、買い替えを検討することになる理由は主にバッテリー面だろう。ヘッドフォンは20時間以上バッテリーが持続するため劣化を感じづらいが、元々再生時間がそれほど長くないイヤホンでは劣化の影響が顕著。
生活スタイルに組み込まれた使い方の場合は基準が分かりやすい。例えばわたしの場合は通勤時から昼休憩まで無印AirPods・昼休憩にAirPodsMax・休憩明けから帰宅まで無印AirPodsというサイクルのため、朝家を出てから昼休憩の時間になるまで無印AirPodsのバッテリーが保てばOK・保たなければバッテリー交換や買い替えを検討することになる。
片耳だけを使う機会もある無印AirPodsではバッテリー交換が安く済むが、両耳前提なアクティブノイズキャンセリングを使うAirPodsPro等では両耳交換になり買い替えを検討した方がいい場面もよくある。
第2世代が出て初代が値下がりしたように、同型や旧型へ買い替える選択肢もある。バッテリーの劣化速度はスマートフォン等と大きく変わらないので、2年に1回のペースで見積っておけば充分。わたしは毎日のように無印第2世代を使っていたが、2019年6月の購入以来約4年(3年10ヶ月)の間バッテリー交換や買い替えをしなかった。
ただしH2チップが登場したため、今後はチップ性能を目安に買い換えることになる可能性も否定出来ない。とはいえH2チップ時点ではH1チップとの間にそれほど大きな性能差はないため、今後の技術の進化次第ではある。
総評:役割を定めて買うべし
AirPodsProのようにあらゆる状況で使える優等生ではないので、明確な目的を持って買った方がいい。わたしはバイクのインカム代わりとながら聴き用途を目的に購入したのでかなり満足している。
明確に無印AirPodsである理由がないのならば、旧世代のAirPodsProを割引価格で入手するのが無難。勿論第2世代AirPodsProでも良いが、旧世代でも十分過ぎる機能を持っている。
とはいえ耳をイヤーピースで塞がない形状はワイヤレスイヤホンの中でもレアな個性であり、更に多数のApple製品で接続を切り替えつつ使い回せるのは現状無印AirPodsのみ。少なくはあるけど、刺さる人にはとことん刺さる製品だと感じた。




