いつだったか中古でポチったMacmini。購入当時より拡張されて用途も広がってきたので、整頓がてら記事にまとめてみる。
デスク&ノート一本化計画の一環。
Appleシリコン版書きました。
特徴

だいたい20cm×20cm×4cm、非常にコンパクトにまとまったディスプレイを持たないデスクトップMacの1種。
同じくディスプレイを持たないMacStudio・MacProと比べるとライトな運用が想定されており、あれらほどの性能は出ないものの最小スペースで省電力・下位iMacとほぼ同等の十分な性能を持つシリーズ。
小型・省電力な箱型デスクトップという特徴から、遠隔操作を前提としたサーバー用途に特に向く。

HDMI・USB-A×4・有線LANと、端子も結構豊富
わたしの部屋では2012年モデル(Late2012,i7-3615QM,8GBRAM)が稼働中。SSD240GB+HDD1TBのデュアルドライブ構成で、HDDはiMac(21.5inch/Late2013)内蔵HDDをSSDへ換装した際に取り出したものを流用。
2012年以前のモデルはmacOS Big Surに非対応だが、比較的簡単な分解・作業で2.5インチのSSD/HDDを2台内蔵可能で非常に便利。
2014年モデルは分解が困難ながらBigSurやMontereyに対応するメリットがあるが、今年(2022年)リリースのVenturaでサポートが打ち切られた。
2018年モデル以降は分解がほぼ不可能だがVenturaでもサポート継続中、2020年モデルからはAppleシリコン搭載になったことで省電力性に磨きがかかっている。
サーバー用途では2012年モデルが万能。
起動ディスクのSSDと別にHDDを搭載してシステムとメディアファイルを適切に保管するだけでなく、起動ディスクは外付けSSDに任せてHDDを2台搭載することで自力でRAIDミラーリング環境を組むことすら可能。
それに加えて中間CPU以上なら、マルチコア性能で2014年モデルの最上位CPUを超える。
これは中間以上(Core i7の2種)なら4コアの2012に対し2014が最上位のCPUですら2コアなのが大きく、実性能は世代差等の要因もあり僅差。当然2018には大幅に劣るが、実運用上特に困るものではなかった。
LAN内に留めインターネットに接続しない運用をするなら、2012年モデルを運用し続けるのも現実的。
期待出来る役割
だいたいは実際に運用しているもの。
映像ファイルの保管・ストリーミング
SMB経由で、iPhoneやiPadに限らずAppleTVからのストリーミングも可能。任意の映像をサクッとテレビで見られるので結構重宝する。

Macmini内の映像ファイルを自由にストリーミング再生出来る。Infuseなら広告無しの無料でループ/シャッフル再生、HDR/DolbyVisionも対応
わたしは撮り溜めたスクスタMVをテレビで見るために使用。再生アプリはInfuse。MacminiとAppleTVの両方が有線LANで実測300Mbps以上の速度が出ているので、高画質な映像ファイルも楽々再生。
iCloudフォトのアーカイブ

お手軽操作でiCloudフォトをアーカイブ可能
上とちょっと似てるけど違う。macOSが使えるMacminiなら、フォトAppでiCloudフォトに簡単にアクセス・同期・書き出しが可能。iCloudの容量が限界に近づいた時にサクッと自身のHDDに書き出し、iCloudから削除してクラウドの容量を空けつつもLAN内のデバイスで自由に観覧可能な状態に出来る。
iCloud+非加入だとサクッと空き両量を確保出来るので特に便利。他OSだと書き出しに非常に手間取るので、フォトAppから直接iCloudフォトにアクセス出来るMacminiならではの用途。
リモート操作×仮想Windows

当然iPadからも操作可能
通常使用のノートパソコンやデスクトップもMacで固めている場合に。Windowsでしか動かないアプリの使用を要求された場合に、遠隔でMacmini上で仮想Windows環境を動かせる。
ファイル伝送もFinder上ならドラッグ&ドロップ可能、クリップボードも同期されるので使い勝手がいい。VMwareFusionの個人用途の無償版が出たことも大きい。
M1チップのMacではWindowsアプリの使用が面倒になっているので、そういった場合のカバーにも。ただIntelチップのMacminiを選んでおかないと結局同じ問題を抱えるのでそこは注意。
実例を挙げると、ゲーミングマウスのキー割り当てツール・歌声りっぷ・他変換ツール辺り。ゲーム等のリアルタイム操作が必須なものには向かない。
MacminiのUSBポートを延長して、使いやすい位置に引っ張って置くと尚良し。
Homebridgeサーバー
単体ならラズパイが鉄板だけど(なんと専用機まで開発・販売されているレベル)、上記の用途を兼ねるならMacminiが向く。特に仮想マシンはある程度のスペックが要求されるのでラズパイじゃ無理。
Bonjour等元々macOS搭載の機能を利用しているので、macOS環境だと設定が非常に楽。Homebrew入れてNode入れてHomebridge入れればほぼ完成。

Macminiからネットワーク共有でWi-Fiを飛ばしIRKitを接続。ローカルで動くためレスポンス爆速、ついでにSwitchBotカーテンもBLEで動いた。
あと余っていたWebカメラをMacminiに繋いでHomekit監視カメラ化。延長ケーブル大活躍。
ミュージックライブラリ母艦&ホームシェアリング
整頓したライブラリを丸っとMacminiに移行した。遠隔操作で編集可能なクラウドライブラリの母艦にしつつ、ホームシェアリングでLAN内アクセスも可能に。

iTunesMatchのクラウドライブラリはアップロード/マッチ時にiTunesPlus相当の音質(AAC,256kbps)へと劣化する弱点があるが、ホームシェアリングはAppleロスレスのまま伝送可能。外出先でクラウド化の恩恵を受けつつ、自宅ではロスレス品質でストリーミング出来る。そのままロスレス品質でAirPlay出力も可能で、HomePodやAirMacとの相性もいい。
AppleTVなら自力でホームシェアリング中のライブラリにアクセス出来る(というかホームシェアリング自体が元々AppleTVのために開発されたもの)。

光デジタルでアンプに接続したAirMac Expressなどに出力すれば、ロスレスの高音質をフルに活かせる
LAN内のロスレス品質ストリーミングの恩恵は、iTunesMatch非加入でも受けられる。
逆にAppleMusicに加入済みの場合、AppleMusicライブラリの曲はロスレス品質で聴き放題なので恩恵を感じづらい。
MacminiのUSBポートから、アクセスしやすい位置にCDドライブを引っ張っておくと尚良し。純正のSuperDriveは延長ケーブル越しだとものによっては電力不足に陥る可能性があるので、別途給電可能なタイプのCDドライブがあると確実。
ロスレスで取り込み→設定→iCloudミュージックライブラリへアップロードまでの行程をスムーズに行え、同時にホームシェアリングによるロスレスストリーミングも可能になる。
Time Machineバックアップディスクとしての利用

Macmini自身の保管データのバックアップを取ってもいいけど、どちらかというと他のMacのバックアップ向け。
HDDの容量こそ必要になるが、他の機器なしにネットワーク経由でバックアップが取れるので便利。ほぼTime Capsule代わりになるので万能。
わたしはHDDの容量が確保出来なかったので途中で使うのをやめた。ついでにいうと今後はMacminiにほとんどのデータを置くつもりなので、今後はTime Capsuleにバックアップを取るつもり。
Time Machine自体はマジで便利。フルバックアップだけでなく、ミスって消したファイルを速攻で引っ張って来れるので非常に助かる。
AirPlay2レシーバー

Montereyの新機能。公式には2020以降・実際にはたぶん2014以降。わたしのMacmini2012では使えないので未検証。
映像・音声ともに対応するので、AppleTVと似た挙動をする(映像があるときは映像も再生、ない時は音声のみ再生)。ただし定額ストリーミングサービス等の保護がかかっているものは非対応らしく、dアニメは出力不可能だった。→dアニメで出力可能になってたので修正が入ったっぽい。AppleTVの代用としても使えるようになったかもしれない。
遠隔操作時の画面設定との兼ね合い(後述)もあり映像の出力はそもそも面倒だけど、音声の出力としては普通に便利。DACや内蔵の光デジタル兼3.5mm端子から適当なアンプに流し込めば、それだけでAirMacExpressと似た役割を任せられる。規格としてはAirPlay2なのでHomePodからの出力も受け取れる(初代AirPlayでは不可)。
→検証した結果AppleTVからの音声は受け取れるのにHomePodからの音声は何故か受け取れなかった。サポートに問い合わせても仕様では受け取れるはずとのことだったので、バグの可能性が高い。
ただしAirMacExpressと違いホームAppに追加不可能なので、Siriによる再生指示は出来ない。事前にiPhoneやiPadから再生ルートを設定しておけば問題ないけど、Siriに一声かけるだけで完全に再生環境を設定することが出来ないのはちょっと不便だったりする。
総じて用途は限定的。AppleTV4KやAirMacExpressに勝てるところはほとんどないので、おまけで付いてくる程度に考える方がいい。
設定・メンテナンスについて
上記の全ての用途のうち、VMware FusionとHomebridge以外は全て標準機能だけで用意出来る。
消費電力・スペース・性能バランスが良いだけでなく、macOS故にセットアップが手軽なのも魅力の一つ。

メディア共有(ホームシェアリング)・ファイル共有(AFP)・AirPlayレシーバーの他に、インターネット共有でIRKit用のWi-Fiアクセスポイントを作成したりコンテンツキャッシュやDVDドライブの共有を設定したりも出来る。
SMBはファイル共有→オプション→「SMBを使用してファイルやフォルダを共有」。TimeMachineはファイル共有で設定したフォルダを右クリック→詳細オプション→「Time Machineバックアップ先として共有」。
メンテナンス・リモート操作について
「共有」環境設定の「画面共有」でリモート操作に関する設定が行える。
画面共有→コンピュータ設定でVNCの設定も可能。Mac以外のiPad等から操作するには設定が必要で、VNCViewer等でアクセス可能になる。
ディスプレイを接続しないままリモートでアクセスすると低い解像度しか選べず表示領域に難があるので、HDMIのダミーディスプレイ等を繋ぐといい。HDMI端子からほんの少し出っ張る程度でスペースもほぼ取らず、Amazonで1000円前後から買える。

1080p辺りにしておくと操作しやすい。2160pまで上げても動作に支障が出る上にメリットは薄い
双方向のHDMIセレクター等でダミーディスプレイとモニターやテレビを切り替えられるようにするのもあり。リモートを前提としつつ、ネットワークの不調などで必要になった時にはリモートに頼らず操作可能になる。
テレビに繋げばAirPlayレシーバー機能での映像の伝送も現実的。ただし相変わらず定額ストリーミングの映像は流せないので、AppleTVと比べると微妙。
当然テレビに繋いだままテレビの電源を切るとリモート時の解像度設定が限定されるので、常時テレビやモニターに繋ぐのは非推奨。
赤外線リモコンで操作可能なセレクターを使い、IRKit+Homebridgeで操作すると切り替えが簡単になる。
LAN外・外出先からの遠隔操作について
完全に安定させるためにはVPNの併用を推奨するが、一応ルーターの設定だけでも実現は可能。UDP/TCP5900番でポート開放を行い、グローバルIPに対してアクセスすればVNCViewer・macOS画面共有からのどちらでも普通に通る。
ただしモデムの再起動等でグローバルIPが変わった瞬間使えなくなるので(グローバルIPの固定は業務用回線とかの領域)、基本的にはあまり信用しない方がいい。
ポート開放の方法はルーター(DHCP機能を有効にしている機種)によって異なるので、ここでは一例としてわたしの環境(WH832A)での設定方法を載せておく。
ネットワーク環境設定に表示されているルーターのIPアドレスをWebブラウザのアドレスバーに打ち込めば、大抵の場合ルーターの設定画面に飛べる。無理だったらルーターの説明書を参照。

まずはMacminiのローカルIPアドレスの固定。これはルーター側でMACアドレスを指定し固定で割り当てるか、macOS側の設定で指定のIPをリクエストする方法の2種類がある。
macOSのネットワーク設定で「プライベートWi-Fiアドレス」を有効にしているとMACアドレスが変化するので注意。
プライベートアドレスはネットワーク(SSID)ごとにMACアドレスを変えて、複数ネットワークを通しての端末特定とかトラッキングとかを避ける機能。Macminiを複数のネットワークで使い分けることはほとんどなく基本無意味なので、この機能は無効にしてしまった方が早い。

ネットワーク環境設定でMac側からリクエストする方法を取る場合は、MACアドレス周りは気にしなくてOK。ただしIP割り当てがダブった時の優先順位が設定できないことに注意。
ローカルIP固定が終わったら、固定したローカルIPアドレスのUDP5900番・TCP5900番に対してポート開放。

あとはggったら出てくる適当なツールでグローバルIPアドレスを特定し、VNCViewerやmacOSの画面共有からグローバルIPに対して接続すればOK。


これで外出先からアクセス可能になる。当然LAN内での操作よりレスポンスは遅くなるのでおまけ程度。
Homebridgeを含めた自動再起動について
macOSの標準機能で、毎日/毎週指定した時間に再起動させられる。再起動で治る軽度なトラブルから解放されるので便利。
この場合Homebridgeは自動で起動させる必要がある。簡単なのはAutomatorでHomebridgeのコマンドをアプリ化し、ログイン時に起動するよう設定すること。アプリ化したコマンドを実行させるとメニューバーに常駐する。
Homebridgeに管理者権限を持たせる場合、設定が少し面倒になる。参考までに、わたしが今使っているAutomatorは以下。

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1 2 |
export PATH=$PATH:/usr/local/bin sudo -S homebridge |
「指定されたテキストを取得」にはアカウントのパスワードを直接打ち込む。なので保存場所のアクセス権次第ではちょっと危ない。作成したApp自体を出来るだけ保護された場所に保存しておきたい。
管理者権限でHomebridgeを起動するAppが完成するので、システム環境設定→ユーザとグループからログイン時に自動実行させる。

これで起動時に管理者権限でHomebridgeが実行されるので、システム環境設定→省エネルギーから再起動スケジュールを設定すれば良い。

定期的に再起動&Homebridgeも自動起動。ついでに停電復帰もこれで可能に。
IRKitやHomePodも自動再起動するようにしておくと、より長期的に安定動作する。こちらは適当なスマートコンセントでOK。
HomePodを自動再起動する際はホームハブの設定に注意。ホームハブ自身を再起動させるオートメーションをHomekitで組むとそれなりの確率で動作不良を起こすので、最初からホームハブをAppleTVにしてしまった方が安全。
iOSのショートカットAppでお手軽再起動

iOS等のショートカットAppにはSSH接続で遠隔でコマンドを投げられる機能があり、これと組み合わせると画面共有を開くことなく任意のタイミングでサクッと再起動できて便利。ただし同一LAN内にいるときに限られる(たぶんVPN使えば遠隔地でもいける)。
まずMacの環境設定→共有でリモートログインの設定が必要。ただしMacmini側でSSH接続(リモートログイン)を許可するとき、Catalina(10.15.7)では何故か何度押しても有効に出来ない謎のバグが存在する。
これは有効化のスイッチ部分のバグらしいので、コマンドで有効化すれば強引に解決出来る(→参考)。
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1 |
sudo launchctl load -w /System/Library/LaunchDaemons/ssh.plist |
上記をMacminiのターミナルで実行してから再起動するとリモートログインが有効化された状態になり、以後SSHコマンドが使えるようになる。無効化する時はsudo launchctl unload(以下同様)でOK。

有効になったらいつも使っているユーザーを追加しておくと分かりやすい。
続けて再起動させるショートカットの作成。ショートカットAppを開き新規ショートカット、以下のように設定。

テキストにはMacminiのログイン用のパスワードを直接入力。自動再起動のAutomaterと同じ仕組みで、つまり覗かれると危ないので厳重管理必須。
SSHアクションのホストには固定したローカルIP、ポートは初期設定のまま、ユーザはさっき環境設定で追加したもの。パスワード欄にもきっちりパスワードを打っておく。そして入力にテキストを選択。
SSHアクションのパスワードはSSHアクセス用で、テキストに置いたパスワードはsudoコマンドの実行用。
コマンドにはshutdownと書いているが実際は即時再起動のコマンドであり、これをウィジェット等に置いておけば押した瞬間再起動するボタンが完成する。ここまでの設定が済んでいればHomebridge含むサーバーとしての機能が全て再起動・復活するので、ネット不調とかのトラブル時に便利。
同一LANにさえいればどのデバイスからでもパッと再起動の指示が出来るので、作成したショートカットはiCloud同期しておくといい。




