7万円切りミニLED65インチ4Kテレビを試す

タイトルから溢れる最強感。

52インチのテレビを6畳部屋で至近距離で見ていたこともあり、フルHDでは物足りなくなってきたので4Kテレビを購入。AppleTVもHDから最新の4K第2世代に更新。

6畳の子供部屋で放つ圧倒的な存在感。
この距離で見ても、粗さを全く気にせず堪能出来る

最大輝度のiPadの横に並べても違和感がないテレビが欲しい。なんなら目が痛くなるくらいピッカピカしてて欲しい。そんなわけで、ミニLEDテレビという最上級の存在に手を出すこととなった。

機種はTCLの65X10。なんとこれがYahooショッピングのアウトレットで税込69800円(+送料14000円)という超破格の値段で購入可能だった。更に超PayPay祭で約6000円の還元に加え、配布クーポンで4000円引き。

注文してからというもの、実物が届くまで詐欺なんじゃないかと疑念に満ちた1週間を過ごした。届いて一安心。
ちなみにしっかりメーカー保証3ヶ月付き。狂ってんのか?(本音)

送料込みでも実質約75000円ほどで、ミニLED65インチとして異常なほどに安い。2019年の機種ながらDolbyVision対応・ピーク1500ニトの輝度と最強に恥じない性能を備えており、とにかく明るさ・色表現・解像度に優れる。

カタログスペック、最強

公式サイトのスペック表を見れば一発で分かるが、高画質化機能全部入りの最強モデル。当時ではミニLEDが珍しかったこともあり、現在の最新機種と比べても遜色無いパネル性能を持つ。

……と、ここまではカタログスペックの話。実際に弄り倒して使ってみた感想としては「ああ、うん、そら神だわ」って感じでした。

ざっくりと理性的に評価をすると、「ゲームや動画視聴にめちゃ強く、とことんモニター用途に向いたテレビ」。もちろん弱点もあるけど後述。

やはりミニLEDは最強だった?

現行の高級ディスプレイは有機EL(OLED)とミニLEDの2種。黒の暗さを突き詰めたのが有機ELであるならミニLEDは白の明るさを突き詰めた存在であり、輝度表現において圧倒的な優位性を持つ。

……って言ってもわかんないし買うまで実際わからなかったので、事前に数件の電気屋を巡って明るさの情報を収集してみた。

明るさ計測と集計してみた

輝度計なんぞ持っていないので、適当なiPhoneのアプリで代用。綺麗に測れるとは思っていないので基準値を用意し、一番体感明るさが高い設定にして一番キラキラしてる気がするところを比較する。電気屋の展示テレビの設定もゴリゴリと容赦無く弄り倒す。

基準値は最強のタブレットこと12.9インチ第5世代iPadProの明るさ100%設定(この時点で強すぎるのはご愛嬌)。SDRで約950・HDRで約1750、単位はルクスだけど、意味をなさないのでスルー。

iPadProのミニLEDはスペック上ピーク1600ニトなので、有機EL搭載iPhoneシリーズのピーク1200ニトをも上回る。よーするにたぶんあなたのスマホより明るい。

ちなみに部屋のテレビは750。スペック上350cd/㎡(cd/㎡はほぼニトと同値)とかなのでかなり悲惨である。最近だとドンキとかの格安4Kテレビレベル。

収集結果

格安帯でも900前後の数値を叩き出す機種は一応いる。のでSDR時のiPadの横に並べて違和感ないくらいを求めるならこれでいいと思う。

高価格帯機種を見ていた時は店員さんの前だったので流石に撮影を自重した。でもこっそりかざしてみた感じ、ソニーとかパナソニックとかの20万円を越える機種はだいたい1200〜1300程度を指していたと記憶している。確か1機種だけ2000弱もいたはず。
この辺になると大体有機ELの最上位なので、現行機種の限界に達していると思われる。当然iPadProのミニLEDと並べてHDR映像を流してもそれほど違和感はなく、流石最上位機種といった感じである。

で、65X10はというと

はいどーん。

(曜ちゃんじゃん!!!)

2200オーバー、格安テレビの約3倍とあまりに圧倒的。部屋明るくしようが暗くしようが変わらないので、素で現行の最上位機種を超える明るさを叩き出せるということになる。これが恐らくミニLEDの底力。

たぶん今年〜来年にかけてミニLEDの新機種が一気に出るので、この記録は更新されていくと思う。それでも2年前のモデルとは思えない異常っぷり。
よく分からなければ、電気屋に売ってる有機ELの20万円超えのお高いテレビを見てくればいい。それより数段明るいといえば、65X10の輝度表現が異常であることが分かってもらえると思う。

公式サイトより。iPadPro最強伝説

ローカルディミングのエリアは768分割で、iPadProの2596分割には劣る。ミニLEDも15000個で、iPadProの密度には流石に及ばない。あれは実売60万円のProDisplayXDRの技術をそのまま持ってきてることもあってか流石に強すぎた。

それでも横に並べるだけの表示性能は備えており、輝度表現においては間違いなく最強格。
しかもSDR時は600ニトが上限なiPadProと違って、この輝度を出すためにHDR映像を必要としないのもポイントが高い。

輝度以外について

輝度に注目しすぎた結果選んだ機種ではあるものの、最上位機種らしくそれ以外の面でも優れる。
4K解像度にDolbyVision、なんでもぬるぬる化する倍速液晶まで全部揃う。現行と比較した場合の弱点はHDMI2.0なので4K120Hz・8K入力・eARCに対応しないこと。どれもAppleTV4Kには必要なかった。ただPS5のお供には厳しい。

一応AndroidTV(たぶん9.0)を積んでいるので主要な動画配信サービスは単体で見れる。がApple信者にとっては邪道なので脳死でAppleTV直結、以降一切の出番無し。というかAppleTVと比較しちゃうとレスポンスがそこまで良くない。体感AppleTVHDより悪いレベルだし、ハイエンドスマホと同レベルであるAppleTV4KのA12チップに勝てるわけがない。

パネル面ではQLEDとかいう摩訶不思議物体を採用しているらしく、色再現度を高めてくれているとか。知るかそんなの。(無知)
でもiPadProと見比べて色の差が全く分からないってことは強いんだと思う。少なくとも前のテレビは一目で悲惨だと分かった。

唯一の弱点、放送番組との相性が最悪

まず4Kチューナーが搭載されていない。それだけなら外付けでなんとか出来なくもないけど、動画配信やゲームと比べて画質の荒い放送番組はテレビ側に優れた補正機能がないと綺麗に見られない。
こういうところにソニーとかは力を入れているのであって、TCLはガン無視して色再現と輝度で殴りに来てるので補正機能なんかほぼ積んでない。4Kアップコンバートなんてまず出来ないし、素ではフルHDの放送番組をそのまま見るだけの65インチテレビに成り下がる。

たぶん、価格が大幅に下落した一因だと思う。日本におけるテレビは放送番組がメインで、それを捨てて他のみが強いテレビは需要が薄いのかもしれない。あと中国製に苦手意識がある人が多いのも原因かも。
この通り、放送番組に関してはかなりの割り切りが必要になる。わたしはそもそもアンテナケーブルすら繋いでいないので関係ない。

逆に補正が少ないということは元映像に手を加えないため再現度が非常に高いということでもあり、どちらかというとマスターモニターに近い特性を備えている。
イメージとしてはオーディオにおけるAirPodsMaxのような感じ。更に言えばApple製品のディスプレイは色再現度が高い傾向にあるので、同等の色を持つ65X10はApple信者に自然と溶け込んでくれるかもしれない。

実際の使用感

さてテレビまで買って何を見るのかと言えば、これ。

かすみん!!!

ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル ALL STARS、その3DMV。スマホゲーと侮ってるとビビるくらい高画質なので、テレビに映すとそれはもう#最高のエンターテインメントなんてつぶやいちゃお!ってレベルである。

つぶやきました(事後報告)

自前でMacのQuickTimeで収録してるけど流石に4K解像度でそのまま撮れるわけではないので、4KをチョイスしたのはあくまでフルHDの壁を突破するためという意味合いが強い。
事実iPhoneXsMaxの解像度2688×1242を16:9になるまで左右カットすると2208×1242、フルHDの1.3倍の画素数になるのでかなり精細になる。(なんでXsMaxなのかというとめんどくさすぎる理由があるので、たぶん後に別記事で書きます)

収録した映像は例のMacminiにぶち込み(あれからHDD増設済み)、AppleTVでInfuseを利用してSMB経由で視聴する。縦横比は再生時に自動で切り抜いて合わせてくれるので安心。

AppleTV 4Kについて

第2世代で4KHDR&60Hzの組み合わせに対応した。調べたらニュースサイトとかではHDMI2.1の恩恵とか言われているものの実は全くそんなことはなく、HDMI2.0の65X10でもしっかり4K60Hz DolbyVisionで再生可能である。(4K初代で何故対応しなかったし)

左上の表示はテレビ側の仕様で、数秒で消える。しっかりDolbyVisionで入力されていることが分かる

現状ではeARCが使えない(ARCはOK)以外はAppleTV4Kの機能をフルで活かせる。ダイナミックレンジの自動切り替えも可能で、しっかり映像に合わせてSDR/HDRが切り替わる。ちなみに倍速液晶の補正も載るのでPromotion並みにぬるぬる動く(何気に前のテレビの倍速液晶よりも綺麗に動いてる気がする)。

AppleTV4KがHDMI2.1を活かして120Hz対応アプデなんてしてきたら買い替え案件だけど、しばらくそんなことはなさそうなので良し。
そもそも120Hz対応したところでスクスタMVを120fpsで録画出来ないので無意味。(スクスタ自体は120Hz対応なのでiPadProなら120fpsで見れる。録画すると60fpsになり、ここはちょっと勿体ない)

地味にHDでは有線LANが100Mbpsだったが、4K初代以降は1Gbpsに対応しておりこれが結構でかい。MacminiからSMBで動画を読み込む時の速度が実測で4倍くらいになった。

Infuseのスピードテスト機能。NASからのストリーミング速度が一発で分かる。
あと背景真っ暗なのでミニLEDバックライトがちゃんと消灯する。えらい

AppleTVHDだと80〜90Mbpsで打ち止めだったので、動画の読み込み速度がかなり改善している。というかほぼノータイムで読んでくれる。

AirPodsの空間オーディオにも対応しているので、AirPodsMaxと合わせるとヘッドフォンで映画館クオリティ。ただしステレオ空間化は使えないらしいので、アトモス映画でないとあまり意味はない(AirPods×AppleMusicだけならiPhoneでいいので)。

チップがA8→A12に強化されたことでレスポンスも体感で分かるほどに改善している。
とはいえtvOS自体がそこまで重たくもないので影響は大きくない。なんなら4K初代はA10XでA12とほぼ同性能なので、4K初代からだと変化が更に分かりにくい。

確か4K第2世代からはThreadに対応しているので、ホームハブとして使えばスマートホームへのMatter機器導入に貢献してくれる。とはいえ機器自体がまだないので規格の普及待ちなところはある。

あとAirPodsの2台同時接続にも対応したとしても使う相手がいないんだよ察しろ

HDR不要説?

AppleTVの解像度設定は基本的に全ての映像に強制で、満たしていないものはAppleTVがアップコンバートすることで表示させる仕様になっている。簡単に言うと一度4KHDR60fpsに設定したら最後、1080p24fpsSDRの映像すらも4KHDR60fpsにしてしまうということ。
これだけ見ると「おっ、やるやん」ってなるけど、実際のところSDR→HDRのコンバートはあまり意味がないみたい。

というのも「HDR映像を流さないと明るく見えない」という前提がそもそもスマホやタブレットだけのもので、テレビ様は最強なのでHDRでピッカピカ出来るならSDRでも同じくらいピッカピカしてくれるのである。
輝度最強クラスの65X10ともなるとその影響は顕著で、これによりSDR映像を流した時の輝度ですらもiPadProのHDR時に匹敵する。事実、上の方に載せた明るさ測定の写真はSDRのものである(たぶんBrightest MelodyのMVだったはず)
更に言うとSDRは輝度の幅が狭いという仕様からか、65X10を輝度限界まで引き上げてHDR映像とSDR映像を見比べるとそもそも平均的にHDRの方が暗いという珍現象が起こる。

というわけで購入前にわたしが考えていた「65X10のピーク1500ニトってどうせHDR前提なんでしょ?ならAppleTVでHDRにアプコンして流し込んでやるわ」なんて発想は無意味だったわけである。それも良い方向に。

つまるところ、SDRのスクスタMVをそのまま見る分には65X10はiPadProの倍明るい。これがトキメキオーライ。君のこころではなく画面が輝いてるけど。
よって一番明るく見たければ、AppleTVの映像設定は4KDolbyVisionをベースにダイナミックレンジに合わせる設定にするのが正解。InfuseでもちゃんとSDRに自動切り替えしてくれる。

65X10はDolbyVision/SDRで個別に映像設定が必要みたいなので、そこだけ注意。逆に言うと、きちんと調整すればそれぞれに最適な映像を自動表示出来るようになる。なんでも最大1500ニト&倍速液晶で120Hz化マシンの完成である。

オーディオ/サラウンドについて

テレビが到着する直前に撮影したもの。
右下に2.1chアクティブスピーカーのウーファー部分と7.1chのアンプが収納してある。光デジタルだとたぶんDolbyDigital5.1chまで

実はひっそり中古のサラウンドアンプ(AVC-3890。めっちゃ古いので5000円だった)を買っていて、これはDolbyDigitalやProLogic2といったちょっと古めのサラウンドフォーマットに対応している。

元々AirMacExpressに直結して擬似サラウンド化するために買ったのだけど、なんと65X10の光デジタル経由でAppleTVの5.1ch化に成功してしまった。PREOUTのアナログ6本全てをステレオミニに変換してアクティブスピーカーに繋ぐとかいう節約仕様でもかなり快適に聴ける。

前のテレビでは光デジタルからサラウンド出力出来なかったのがリアルサラウンドに手を出さなかった主な理由であり、買い替えによって光デジタルの限界であるDolbyDigital5.1まで伝送可能になったことで実現した。

ただアマプラでポケモン映画見るくらいしか今のところ使い道がなく、普段スクスタMVを見る時はこのアンプを通して擬似サラウンド化したAirMacExpressにAirPlay2出力している。結果再生されるスピーカーは同一だけど、ステレオ音声をDolbyDigitalとして再生すると当然フロントしか鳴らないので擬似サラウンドの方が綺麗に聴ける。

ちなみに65X10には専用のサウンドバーが付属してて、こいつが割といい音を出してくれる。
実質これが内蔵スピーカーということで単体だとまーかなりお粗末なのだけど、HomePodとセットで出力してあげると高音を補佐しつつ音の広がりを強めてくれる。AirMacやアンプ経由で大音量を流せない時間帯に、音の広がりを体感したい時には便利だった。でもAirPodsMaxでいい感が否めない。

あと内蔵サウンドバーは取り外し不可(厳密にはスタンドになるので組み立て時に取り付けがほぼ必須)なので、ディスプレイの薄さの割に手前のスペースをかなり食う。そういう意味ではちょっと減点。
一応ちゃんとしたテレビの置き場所を作ってる人にはそこまで関係ないかも。

総評:AppleTVの相方として最高峰でした

7万円のくせして現行最上位に匹敵するレベルのパネルを持っているので、そのパネル性能を活かせるならとことん刺さる。

補正機能がなく放送番組は基本全滅なので、何かしらの手段で映像を調達するのは必須。PS4やAppleTV4K・ブルーレイといった元から高画質なコンテンツの魅力を最大限引き出してくれるので、そういった意味ではかなりおすすめできる。

内蔵のAndroidTVでも軽く動画を見る分には充分かもしれないけど、やっぱりApple信者はAppleTVをチョイスしたいところ。ただこのAndroidTVのおかげで、追加でFireTVやChromecastを買う理由はほぼなくなると言っていい。

AppleTV4Kの映像体験を聞いて欲しいと思いつつ「結局テレビないからなぁ」となってたわたしみたいな人にはぶっ刺さる。そういう人が欲しがる大きく明るく精細、それ以外を削って格安という見事に条件が揃ったテレビが65X10だと思う。

あとiPhone12以降で撮影したDolbyVisionビデオを完璧に再現出来る数少ない存在でもある。やっぱAppleTV4Kの相方だわこいつ。

カテゴリー: Apple, AppleTV, オーディオ/ビジュアル, ガジェット, 周辺機器, 映像機器 タグ: パーマリンク

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