結局、AppleWatchにセルラー機能は必要なのか/AppleWatchのモデル選択

料金周りの話でよく出てくるAppleWatchのセルラー対応。現状MNOのクソ高プランでしか対応できず手を出せない人も数多くいるが、実際セルラー対応がどの程度の影響を及ぼすか考察してみる。
・・・実際はセルラーが羨ましい人が「セルラーなんていらねぇ!」って言い訳するだけの記事。

セルラー機能導入のコスト

セルラー機能を求めることで発生するコストは「端末費用」「維持費」の2種。どちらもGPSモデルより高くなるが、何度も書いたように特に大きいのは維持費の変化。

端末費用

Apple公式の比較ページ(2021/3/15時点)より。現在新品のSeries3にはセルラーモデルが存在しない

ステンレスケースではGPS+Cellularモデル固定のため変化なし。ステンレスケースの質感や色味を求める人はセルラー機能を追加してもコスト0と解釈出来る。
アルミケースではセルラー機能の有無で最低5000円(SE)、最大11000円(Series6)の差額が生じる。整備済みだとSeries4は8000円、Series5は9000円の差額になる。
整備済みのSeries4/5を含めた金額リストは以下の通り(全て税抜)。

世代セルラーモデルGPSモデル差額
Series6(44mm)56,800円45,800円11,000円
SE(44mm)37,800円32,800円5,000円
Series5(44mm,整備済み)44,100円35,800円9,000円
Series4(44mm,整備済み)39,800円31,800円8,000円
Series3(42mm,参考)22,800円
Series6(40mm)53,800円42,800円11,000円
SE(40mm)34,800円29,800円5,000円
Series5(40mm,整備済み)41,800円32,800円9,000円
Series4(40mm,整備済み)37,800円29,800円8,000円
Series3(38mm,参考)19,800円
アルミニウムケースにおけるセルラー有無による差額リスト。
新品や整備済みだと結構差が出るが、実は中古だとあまり変化が大きくなかったりする

並べるととにかくSEのコスパの良さが光る。セルラーの有無に5000円差しかなく、Series5と(常時表示の有無はあるが)同性能で安い上にGPSモデルが同価格のSeries4よりも高性能。
逆にSE以外ではセルラーの有無に8000~11000円の差額があり、保険につけておくには重たい出費となる。

維持費

細かな料金は前書いた記事に丸投げするが、現状AppleWatchを導入するにはMNOのクソ高あまりコスパのよくないプランが必須となる。
50GBを超える大容量を前提とするなら大容量プランでいいが、あまりにも大容量に特化しているため20GB以下のユーザーにとっては悲惨。参考までに通話が分離されているau・povo・UQでの差額を載せておく。ちなみにソフトバンクはサブブランドが家族割なしだと多少高く、docomoはサブブランドが存在しない。それ以外はほぼ似たもの同士。

欲しい容量au(メイン)povo(新ブランド)UQ(サブ)
20GB6580円(無制限)2480円(20GB)3480円(25GB)
15GB6580円(無制限)2480円(20GB)2480円(15GB)
10GB6580円(無制限)2480円(20GB)2480円(15GB)
5GB6150円(7GB)2480円(20GB)2480円(15GB)
3GB4650円(4GB)2480円(20GB)1480円(3GB)
1GB3150円(1GB)2480円(20GB)1480円(3GB)

・・・この通り、無制限を活かせない人間にとってはかなりのぼったくりである。そもそも無制限にもヘビーユーザーお断りの仕様がいくつか潜んでおり、ユーザーにきちんとハマるプランは意地でもメインブランドで出してくれないのが現状。そしてメインブランドにしかオプションが存在しないAppleWatchのセルラー機能はこれにモロに被弾している。(総務省仕事しろ)
ユーザーが集中しているであろう3GBではメインブランドとサブブランドに3170円もの差額があり、3ヶ月前後でセルラー機能分の差額を超える。サブブランドがギリギリカバーできない4GBでも2170円の差額で、セルラー機能の差額を超えるのに半年かからない。
そもそもセルラー機能を有効化するオプションも必須であり、通話準定額などを考慮すると最低でも6000円以上、下手したら7000円以上の維持費を覚悟する必要がある。マジでクソ仕様。

セルラー導入の恩恵

公式曰く、セルラー機能により「付近にネットワークに繋がったiPhoneがない」且つ「Wi-Fiに接続していない」時にでも以下のような機能が使えるようになる。
・Siriの利用/iCloudミュージックライブラリのストリーミング
・iMassage/FaceTime/リマインダー
・マップAppでナビ/Homekitアクセサリの遠隔操作/天気の確認
・PayPay決済/LINEの送受信/その他サードパーティAppでの通信

これらは全てWi-Fiに繋がったGPSモデルでも利用可能。例外として通話の発着信を付近にiPhoneがない環境で行うためには、Wi-Fi通話が日本で利用できない都合上セルラー機能が必須となる(多分)。

逆にセルラーの恩恵が一切なく、元々オフライン利用可能な機能は以下。
・事前に同期した音楽の再生/写真の表示
・深呼吸/ボイスメモ/電卓/コンパス/各種時計機能等
・血中酸素/心電図/心拍計測/睡眠記録/ワークアウト記録等の健康機能
・ApplePay決済

意外なことにApplePayはオフラインOK。逆にリマインダーはNGらしい。iCloud必須ということなのかも。
PayPay決済/ナビ/天気/Siri辺りは恩恵が大きいかもしれない。
逆に同期した音楽をAirPodsで流しつつ運動量記録しながらApplePayで買い物ついでに電卓を叩く、程度ならGPSモデルのオフライン環境でも余裕だったりする。

AppleWatchは大型iPhoneと相性が良い?

AppleWatchはiPhoneへの依存度を下げるデバイスであるため、バッグやポケットから取り出すのに手間取る大型iPhoneほど恩恵を感じやすい。AppleWatchのセルラー機能により外出時にiPhoneを持ち出す頻度を減らせるため、更なる利便性向上が期待できる。
逆にポケットに収まるSE2や12miniだと荷物になりにくく、近場への外出時にAppleWatchと合わせてiPhoneを持ち出すことにそれほど抵抗を感じない。これはAppleWatchのセルラー機能が無駄になりやすいことを意味しており、数少ないiPhoneを持ち歩かない状況であってもオフライン環境でも満足できる可能性が高い。
またわたしのように大型iPhoneと小型iPhoneを使い分けるスタイルの人間は連絡手段や決済を小型iPhoneにまとめることが多く、外出時には小型iPhone+AppleWatchの組み合わせで事足りる。
iPhoneを持ち歩く限りセルラー機能は無意味なため、大型iPhone1台持ちでない限りは恩恵を受けにくいかもしれない。

結論:AppleWatchのセルラー機能は高級品

本体の費用は良いとして、恩恵の割に維持費が高すぎるのが最大の問題。少なくともわたしは5s→SE→12miniと小型iPhoneを愛用してきた人間であるため、iPhoneとAppleWatchとAirPodsは全て持ち歩く習慣がついてしまっている。想像以上にセルラーモデルを活用可能なシーンが限られており、月額2000円以上を費やして導入すべきではない気がしなくもない。

実は総務省絡みの会議のうち「競争ルールの検証に関するWG」の第5回でひっそりAppleJapanの人間がこの問題について発言しており(リンク先で議事録が観覧可能,第5回36ページ目)、「技術的に非常に複雑なオペレーションが必要」だが「GSMAのeSIMの仕様を遵守しており、この仕様に対応したMVNOであれば対応可能」とする一方で「MVNOでセルラー機能が使えるかは経営戦略に関わる」「市場のニーズがあって、弊社にとってもそれなりのビジネスチャンスがあるということであれば前向きに検討させていただくという経営判断がある」としており、MVNOでのセルラー機能が解放されない件について一部はApple側の判断も含まれていることが判明済み。
事情を考えると既存のMVNO(第4回でツッコミ入れてたIIJ等含む)が対応出来る可能性はかなり低く、eSIM設備と事業規模の点で条件を満たしそうな楽天モバイルに僅かな可能性がある程度だと推測出来る。
仮に対応するにしても数ヶ月のうちに対応するとは到底考えられず、「今後の可能性に期待してセルラーモデルを買ったが、MVNOにセルラー機能が来ないままサポート切れて無駄になった」なんてことになると悲しすぎる。
「MVNOで対応出来た時のためにセルラーモデルを選んでおく」というのはかなり危険な賭けとなるため、せめてセルラーモデル限定のステンレスケースを目当てにしつつセルラーがおまけで付いてくるくらいの気持ちでいるのが精神衛生上は無難かもしれない。

カテゴリー: Apple, AppleWatch, iPhone, ガジェット, モバイル周辺機器, 周辺機器, 携帯回線/SIMカード タグ: パーマリンク

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