CDから吸い出した音源をM-DISC×CUEシートで安全にアーカイブする

普段のバックアップとしてはTimeMachineが万能で便利だけど、CDのような完成されたまま保管するべきものはTimeMachineと別に保管しようと思ったのがきっかけ。
信頼性・手軽さ・復帰のしやすさの3点を意識した方法をなんとなく練ったので、備忘録的に書き留めておく。

前提として、macOS環境・純正ミュージックAppでのお話。
全曲Appleロスレス(ALAC)で吸ってあるものの、レンタルが多いため元のCDは保持していない。

保管に用いる各要素

保管メディア:M-DISC DVD

まず考えたのは保管メディア。元がCDとはいえ、家庭用のドライブで焼いたCDは日光や湿気にも弱くデータが欠損しやすいのでCDへの複製は没。ほぼ同じ理由で通常のDVD/BDも没。USBメモリ・SDカードはCD以上に耐久性に不安があるのでこれも没。
HDDはRAID環境なら信頼できるものの、継続的なHDDの購入・入れ替えが必須なのでコスト的に没。SSDは勿体無さが上回るという感情的な理由で没。

といった感じで消去法で出てきたのがM-DISC。簡単に説明するならDVD/BDの強化版に付けられる称号で、一般的な「焼き付ける」ディスクと違って「掘り込む」ディスクというイメージ。耐久性は理論上100年超えと言われるが、要するにまともに観測出来ないくらい耐久性が高いという話。
IO-DATA曰く耐水性も高く、海中1.5mに1週間沈めていても水で洗って乾燥させれば余裕で復帰したとのこと。RAIDのHDDと違い交換を要せず、単体で異常な耐久性を誇るため個人規模のアーカイブ用途なら現状最強の保管メディア。

一見普通のDVDだが、M-DISCと記載がある

書き込みにはM-DISCに対応したドライブが必要(最近は結構多くのDVD/BDドライブが対応)で、一度書き込めばM-DISC非対応のDVD/BDドライブでも読み込みが可能(=アーカイブとして機能する)。

今回使っているのはRiDATA製のDVD-R版(4.7GB/枚)。20枚入りで税込4268円で、容量対コストはまずまず(213.4円/枚・45.4円/GB)。
ただDVD版のM-DISCは対応ドライブが格安で、新品でも3000円台から買えるので小容量だと導入しやすい。
BD版だと対応ドライブに最低でも7000円前後かかるが、25GBの10枚入りで税込3938円。393.8円/枚・15.752円/GBで、120GBクラスの2.5インチSSDくらいの容量単価に落ち着く。

今回使ったドライブはDVRP-UT8LW(→公式)。M-DISC対応のDVDドライブで、メルカリで1600円でポチれた。PSP用のケーブルで給電すればUSBハブ越しにも使えて使い勝手も良い。

あと今回はCD単位での音楽の保管が目的なので、DVD-Rだと容量が少ない分管理しやすく色々都合がいい。この辺りは後述。
ディスクをそのままプレイヤーで再生するわけではなく、あくまでパソコンで読み取って音源を取り出せるようにすることが目的。

ファイル形式:CUEシート+WAVファイル

CDをCDとして丸っとファイルに起こす時にパッと思いつくのはISO形式だが、実はオーディオCDに関してはISOで吸っても元通りにマウント出来ない(そもそも標準環境ではISO作成すらほぼ不可能)。
Appleロスレスを含むロスレス形式で保管してもいいが、完全なCDの複製とは言えず取り込みソフトのメタデータ自動取得機能が使えなかったりするので色々不安。

そもそもオーディオCDの仕組みはトラックの切れ目を記録したデータ+CD1枚分の音源で、これを完全再現するための組み合わせがCUE+WAV。
全トラックが繋がったCD1枚分のWAVファイルとトラックの切れ目を記録したCUEシートの2ファイルを合わせると、完全なオーディオCDとしてOSにマウントして取り込みが行える。当然取り込むソフトでのメタデータ自動取得機能も働き、オーディオCDをCDのまま複製出来る数少ない手段。

保管時はCUEシートとWAVファイルの2つを確実にセットで置いておくことが必須。
元のCDを所持していなくても、全曲の(1曲ごとの)ロスレスファイルが揃っていればCUE+WAVのセットを生成出来る。

DVDトールケース/ブックレット

M-DISC DVDディスク1枚に6枚以上のCDが収まる。シングル等ならもっと入る。
作成したディスクはダイソーのスリムトールケースに収納。更にトールケースの中に収めるものとして、書き込んだCDとトラック名が分かるようなブックレットも作成する。

実はB6サイズとトールケースが非常に近く、B5用紙に小冊子印刷するだけでサイズ合わせがほとんど完了する。ケースによっては端を切り落とす必要があるが、印刷面に影響が出ない程度で済む。
肝心のトラック名のリストもミュージックAppで作成可能で、最小限の手間でそこそこ綺麗なブックレットが作成出来る。

保管先をBDではなくDVDにしたいのはこのため。BD1枚に収めた大量のCD分のブックレットを作ってしまうと、分厚くなりすぎてスリムトールケースに入らなくなる恐れがある。

実際のアーカイブ手順

事前にライブラリ全体でCUE+WAVへの変換を済ませておく。CDを入手して取り込む時に変換する癖をつけておくと今後が楽。
変換はX Lossless Decoder(→公式)で。ファイル→「フォルダをディスクとして開く」から、CD1枚ごとに読み込んでCUE+WAVに変換していく。トラック番号をファイル名にきちんと含めておくこと(ミュージックAppで取り込めば自動で付く。「1-01 曲名.m4a」のような形)。
読み込みはDAEMON Tools(→公式)の無料版を利用。CUEファイルを読み込ませれば、同じフォルダにあるWAVファイルとセットでマウントされる。そのあとはオーディオCDとして各Appで使用可能。

CUE+WAVへの変換が完了した後は、基本的に以下の繰り返し。

  1. アーカイブする音源を選出
  2. ディスクに書き込み
  3. ブックレット作成
  4. 通し番号をメタデータにメモ

これをM-DISC DVD1枚単位で行う。複数のディスクに連続でアーカイブする場合は、2の書き込み中に3・4を終わらせ、余裕があれば次のディスクの1・3を済ませる。

アーカイブする音源を選出、書き込み

ディスク1枚に収まるように、4.7GB分のアルバムを選び出す。ある程度傾向(アーティストや作品)を揃えておくと、後から探しやすい。

通し番号をつけたフォルダ(上ウィンドウ)に移し、通し番号のフォルダを右クリックして「ディスクを作成」を選べば、フォルダの中身が書き込まれる(フォルダ=ディスクイメージと考えると分かりやすい)。ディスクの名前は標準で通し番号のフォルダ名が付けられるが、これはその場で変更可能。

ドライブがM-DISCに対応していれば、macOSの標準機能だけで書き込みも可能
内容に合わせて名前をつけてあげると、後から読み込んだ時に分かりやすい

4GBの書き込みで15分前後待たされるので、待ち時間にブックレットを作成する。

ブックレットの作成・メタデータにメモ

ミュージックAppで作成可能な印刷イメージはパターンが限られているので、アーカイブに向きそうなものを選んで使用する。使用パターン・印刷用紙・拡大率によって表示内容もかなり変動する。

様々なパターンを使いつつ一冊のブックレットにまとめるため、一括処理・例外処理を行いつつPDFを集めて最後に結合する方法を取る。

まずはミュージックApp上でDVDの通し番号の名前でプレイリストフォルダを作る。
その後にフォルダ内にプレイリストを作り、1アルバム14曲以下のもののみをまとめてから印刷(Cmd+P/メニューバー→ファイル→プリント)。1アルバム14曲以下なら複数アルバム全部まとめてしまって問題ないが、2枚組以上であっても1アルバムとカウントするので注意。
1アルバムが14曲以下の場合、アルバムのリスト/曲(アルバム別)・B6に74%縮小で綺麗に合う。この状態でプリント画面下部からPDF出力。
これが基本の処理。1アルバム15曲以上のアルバムを含む場合(2枚組以上で合計14曲以上の場合もこれ)、それらには例外処理として以下の処理を行う。

例外処理:15〜21曲のアルバム

15曲以上21曲以下のアルバムは、アルバムごとにプレイリストを作ってそれぞれ別個にPDF化する。
CDジャケット/モザイク(白)・B6に76%縮小で綺麗に収まる。名前は2・3など数字を増やして識別する。

例外処理:22曲以上のアルバム

22曲以上の場合、最初の21曲と22曲名以降の2つに分けてプレイリストを作る。最初の21曲は上と同じくCDジャケット/モザイク白・B6に76%縮小でPDF出力。名前は3-1などにして前半と識別可能にする。

そして22曲目以降の例外処理として、曲のリスト/カスタムで出力する。
そのままだと余計な項目も表示されるので事前に調整が必須。メニューバー→表示→曲ごとに表示で現在の表示を確認、メニューバー→表示→表示オプションを表示で調整画面を出す。

表示オプションで全部チェックを外し、ディスク番号→トラック番号の順でチェックを付ければ綺麗になる。調整が終わったらプリント、曲のリスト/カスタム・B6に74%縮小でPDFに出力。名前は3-2のように後半であることが識別出来るようにつける。

結合・印刷

作ったうちの1つをプレビューAppで開き、そこに他のPDFをドラッグすると結合できる。ブックレット一冊分、つまりM-DISC DVD1枚分のPDFを結合して1ファイルにまとめる。

まとめたらそのまま印刷。用紙サイズはB5に設定、レイアウトから「ブックレットとしてプリント」を選ぶ。(用紙サイズの下の)ページの向きを横に設定、レイアウト方向は縦に続くようにして印刷。
印刷したらそのまま重ねて半分に折れば、縦に開けるB6サイズのブックレットの完成。必要に応じてホッチキスで留めて、端を切り落としてトールケースに収納する。

メタデータに通し番号をメモ

プレイリストフォルダを選択すればディスク単位で選べるようになっているので、フォルダ内の全曲を選択→情報を見るから追記。
コメントかグループ辺りにアーカイブしたDVDの通し番号をメモしておく。これによって、今後ライブラリ内でメモしていない=アーカイブしていない曲が判別出来るようになる。

メタデータにメモが出来てしまえば今後はスマートプレイリストや検索で炙り出せるので、使ったプレイリストフォルダは削除してしまってもいい。もちろん残していてもいい。

ここまでで1セット。全曲終わるまでひたすら繰り返し、今後はある程度新規の音源が溜まるたびに同じように保存していけばOK。

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