前々から準備していたノート&デスクトップ一体化計画が遂に実行。デスクからiMacが完全に消え、机の上には新PCであるMacBookとデスクトップPCのような何かが居座ることに。

左の黒いモニターがLG UltraFine 4K(23.7インチモデル)。メルカリ中古でお値段6万円ほど。
StudioDisplay登場以前にLGとAppleが共同開発したモニターで、同機種が登場するまでの実質的な純正モニター(準純正)だった機種。前世代として21.5インチモデルも存在する。
当然ながらmacOS側も歩み寄った特別設計で、StudioDisplay並みにMacと相性がいい。
MacBookも買い替えで一気に高性能化しているが、どちらかというとこのモニターが本題。
利便性特化の外付けモニター
豊富過ぎるポートによる拡張性

モニターの裏にはなんとUSB-Cポートが5つ。このうち2つはThunderbolt3・PD・DisplayPort・USB3の4機能をフルで搭載し(以下Thunderboltポート)、残り3つは完全にUSB3のみで機能する(以下USB3ポート)。
前身の21.5インチモデルはThunderboltが1ポートとUSB2が3ポートだったので、ホストと周辺機器間の通信速度が格段に向上している。分かりやすいところだと、1Gbps/2.5Gbpsの有線LANアダプタがフルスピードで使えるようになったり外付けSSDが爆速で扱えたり。
屈指の難解端子と呼ばれるUSB-Cの仕様をある程度理解していないと全仕様の把握は難しい。とはいえApple製品で使う限りはほとんど気にならないよう設計されている。
ざっくり言うと、ケーブル1本でモニターに繋ぐとPD充電されて映像が出る上にモニターのUSB-Cに繋いでおいた周辺機器を全部使える。つまりはUSBハブと充電器とモニター全部兼ねたMacの最強の周辺機器。
MacはThunderbolt2からの変換を含めた全機種がフル機能で扱える。iPadはAir4・mini6・無印10だと4K30Hzに劣化し、Air5やPro全機種はフル機能で扱える。
何気にM1iPadPro屈指の無駄機能ことThunderboltを活用出来る数少ない周辺機器でもある。
細かい挙動について
前述の通りThunderboltポートが2ポートあるためどちらのポートからも映像入力が行えるが、本体に入力切り替え等のボタンは一切ないため自動切り替えに頼るほかない。
USB3ポートでは映像入力とPD充電は行えない(USB3の規格に則った電力供給のみ行われる)。Thunderboltポートに何も接続していない(=ホスト不在の)状態でも電力だけは供給されるので、iPhone等の充電は常時可能。Thunderboltポートに繋いだiPhone等へのPD充電は未検証。
映像とUSB3ポートの扱いに関して、基本的には先に接続された方を維持する仕様。映像出力中のデバイスが取り外された際、もう片方が接続中なら即座に切り替わる。テスターがないので細かくは確認していないが、PDは恐らく電力を分け合う。
例えばThunderboltポートの片方にMacBookを繋いだ後に、もう片方へiPadProを繋いだ時、
・MacBookから映像が出力され、63Wで充電し、USB3ポートに繋いでいるデバイスが接続される
・iPadProを繋いだ後もMacBookからの映像出力とUSB3ポートとの接続、63Wでの充電が維持される
・iPadProは30Wで充電が行われ、MacBookはUSBデバイスとしてiPadProを認識する
この状態でMacBookを取り外すと、
・iPadProから映像出力され、全てのUSB3ポートはiPadProと接続される(ホストが切り替わる)
・再度MacBookを繋ぎ直しても63Wで充電されるだけで、映像出力はされない(最初に接続されたものを維持する)
といった挙動を取る。何気に2台同時に30W以上でPD充電しつつMacにiPadをUSB接続できるので、QuickTimeでの画面収録時には便利だったり・・・。
Power Delivery(PD)での出力はおそらく最大94Wが正解。AppleStoreの商品ページとLGの製品ページでは85Wと紹介されているが、Appleのサポートページには最大94Wと書いてある上に12インチMacBookへの30W+M1MacBookProへの63W=合計93W出力を確認している。
61Wが限界のデバイスしか手元になかったため単ポート使用時の電力は未検証、単ポートだと85Wでストップ・2台同時だと最大94Wに変化する可能性がある。iPadProホスト時にMacBookProを追加してもMacBookProに63W供給されたことから、デバイスごとにある程度振り分ける電力を制御している様子。
単ポートではM1搭載13インチMacBookProは60W前後なので最速で充電可能、iPadProも40W前後らしいので最速。M1Pro/Max搭載の14インチ/16インチMacBookProは96W/140Wらしいので最速ではないが、14インチまでなら十分な充電速度は確保出来ている。
13インチMacBookPro+iPadProの組み合わせを63W+30Wで充電できているので、2台使用時にも安定した供給が可能。ケーブルは2本伸ばしておくと意外な時に便利かもしれない。
美しいディスプレイ品質
4K60Hzの高精細ディスプレイであり、iMac本体とほぼ変わらない500ニトの輝度と広い色域を持つ。
流石にミニLEDバックライトを持つProDisplayXDRや12.9インチM1iPadPro・14/16インチMacBookProには劣ってしまうが、種類が多く混沌としている外付けモニターの中から脳死で選べる破格の品質。
Mac自体が非常に美しいディスプレイを持つので、それと並べて見劣りしないと言う意味で高評価。
接続・活用の手軽さ
OSレベルの統合と謳う通り、とにかく簡単に使えるように設計されている。
まず外付けモニターとして使っている時、Macのファンクションキーで明るさ・音量を調節出来る。MacBookの蓋を閉じたまま(クラムシェルモード)なら唯一のディスプレイとして扱えるので、外付けキーボードと合わせればほぼiMacの使用感となる。
電源ボタンがなく、Mac側のスリープや解除と連動する。クラムシェルでも同様で、蓋を閉じたまま繋ぐだけでも、外付けしたキーボードやマウスからスリープ解除しつつスムーズに扱える。

この状態ならほぼiMac感覚で使用可能
蓋を閉じたMacBookをほぼMacminiのように扱えるので、MacBook1台でデスクトップ運用とノート運用を切り替えられるようになる。
iPadでも同様に使用可能。ただしこちらは明るさが設定Appからしか変更できない。
デスクトップ化して運用することを想定し、USBキーボード・マウスや周辺機器を全てこのモニターに繋いでおくのが鉄板。
ホストを別の機器に切り替えても周辺機器が使いまわせるのも便利。ケーブル1本を差し替えるだけで、モニターとそれにぶら下がった周辺機器の全てをiPadProとMacBookで共有出来る。

良くも悪くも接続した機器に依存する、究極の周辺機器
Apple製キーボードと相性が悪い?
複数ホストの繋ぎ変えの利点を活かすなら、ペアリングが必要なBluetoothキーボードは出来るだけ使用を避ける必要が出てくる。
しかしApple純正の外付けキーボードであるMagicKeyboardはBluetooth接続を基本としており、あまり相性が良くない。Lightning接続中は有線で使用可能との報告もあるが、どちらにせよ公式情報がないので信憑性に欠ける。
対してMac用の非純正キーボードでは、iPadに接続した時にかな/英数キーが使えなくなる。これはiPadOSがApple製ではないキーボードのほぼ全てをUS配列として扱う仕様に起因しており、無線のApple純正を使わない限りJIS配列で使えないという難しい選択を迫られる。(一応例外あり。ただしデスクトップに不向き)
→まさかの購入直後のiPadOS16.1でようやくJISキーボード対応。嬉しいけどタイミング悪すぎるわふざけんじゃねえぞコラ。
ただペアリングの観点でUSB接続のキーボードが必要なことに変わりはない。
わたしが解決策として用意したのは「Apple Keyboard」。2010年に廃盤となった(らしい)この古すぎるキーボードは、iPadでかな/英数キーが扱える現行モデルと変わりない使用感のApple純正キーボードでありながらUSB接続オンリーという骨董品。メルカリで3500円ほど。

これをUltraFine4Kに繋いでおけば、iPad/MacBookの2台で簡単に繋ぎ変えが可能で使用感も現行MagicKeyboardとほぼ変わらない理想的な環境に。ケーブルが少し邪魔になるが、Bluetooth接続のMagicKeyboardを毎回ペアリングし直す手間を考えれば遥かにマシ。
ちなみにUSBハブ機能がついてる。だがふつーにいらない。
ちなみにマウスも同様の問題を抱えるが、こちらはiPadで使う場面が多くないので気にならない印象。
ゲーム用のUSBマウスを常時繋いでおき、別途MagicMouse2をMacBookにペアリングするスタイルに落ち着いた。iPadはタッチ操作かUSBマウスで、MacBookはUSBマウスかMagicMouse2で操作出来るのでほぼ困らない。
AppleシリコンMacBookについて
iMacを不要化するこの計画、今までの12インチMacBookはデスクトップ運用出来るほどの性能がなかったのでMacBookもセットで買い替え。
合わせたのはM1チップのMacBookPro。中古相場が下がってきたとはいえぶっちゃけMacBookAirでいいと思うけど、TouchBarが面白そうという理由だけでProをチョイスした。
こちらはじゃんぱらで購入。脅威の充放電回数2回というほぼ新品バッテリーに加え、付属品全付きでお値段10.7万円ほど。
同じM1チップのAirとの差別化点は冷却ファンの存在・バッテリー持続時間の延長・TouchBar。しかし重量/厚みの増加・物理ファンクションキーの消失に加え、中古相場でも2万円近い価格差がついてしまうので微妙なところ。デスクトップ運用時を想定してファンがあると安心出来るくらいか。

ちなみに解像度の高いiPadから収録すると逆に劣化する仕様。謎
本体は1.4kgとほぼiPad1枚分重量化したが諦め。12インチMacBookが920gと異常な軽さだっただけでノートパソコン全体で見ればまだまともな部類だし、Airにしても結局そこまで軽くならない。
デスクトップ化しようがやることはせいぜいマイクラくらいまでなので、M1チップはオーバースペックが過ぎる。とはいえアホみたいなバッテリーとMonterey・Venturaの各種新機能はかなり便利で、外出時の動作速度はかなり改善した印象。
逆に自宅に置いていたiMac2013とは体感的に大きく変わらず、必要性がほぼないことが証明されてしまっている感がある。
この記事も外でMacBookProで書いている。1時間半書いてバッテリーは残り94%。
12.9インチiPadProと画面サイズ・チップがほぼ同じなので、おそらく18Wのモバイルバッテリーで事足りる省電力。流石に12インチほどではないが、そもそもアホほどバッテリーが持続して全然減らないので充電がいらない。
一応iOSAppの動作も可能だが、ほとんどの場合デベロッパ側がmacOSでの動作を許可していないので実質的に意味がない。
過去にはサイドローディングで動作させられたらしいが現在では不可能になっており、iPadPro級のモバイルゲーム動作環境を活かせず仕舞いとなっている。もし出来たらスクスタMVの収録も楽になったのに・・・
AndroidSDK+内蔵エミュレータが実はARM版でネイティブ動作可能だったりするが、流石にエミュレータ越しではパフォーマンス不足の様子。色々試したがスクスタMV1440pですらかなりカクついてしまい、60fps出そうとすると解像度がiPhoneXsMaxにすら届かないので実用性に欠ける。
各種移行について
ミュージックライブラリはMacminiに移動していたため移行不要。フォトライブラリも全てiCloudとMacminiのHDDで保管しているので移行不要。
その他使っていたのはSNSとSafari・GIMPとAudacityとQuickTimeくらいで、全て新規にインストールすればよく引き継ぎは不要。ついでにMinecraftのワールドも保存先をiCloudDriveに設定して使っていたため移行不要で引き継ぎ完了。移行するデータをいくら探してもそもそも移行の必要性がなく見つからないという事態に陥っていた。
Macminiとクラウドにデータを保管しアプリ本体のみをMacBookで扱うスタイルはMacBookへの負担が軽く、購入時に低容量のもので済ませられるのでお財布に優しめ。
SSD容量は最小の256GBだが、問題ないどころか160GB以上余ってしまった。

ALACの音源はMacminiに置いてあり、そういう意味でも容量節約になっている
Wineskinserverも新たにセットアップ。Homebrewを導入する際にパス通しの一手間が必要だが、それ以外は待ち時間も大幅に削減されておりスムーズに進んだ。
事前にiMacで準備していたアプリは全て動作が確認できたので、移行にあたっての問題は予想通りに解決出来ていたといえる。
Rosetta2による変換処理込みでも、GeekBench5マルチコアの数値は21.5インチiMac(Late2013,i5-4570R)のほぼ2倍・12インチMacBook(Early2016,m7-6Y75)の4倍。当然体感スペック上の不満は一切ない。
ユニバーサルコントロールやAppleWatchでのロック解除等、各種連携機能のレスポンスが気持ち早くなったと感じる程度。ただこのあたりは12インチMacBookでも充分ではあった。
Minecraft(JavaEdition)に関してはそのままセットアップすると起動時にエラーを起こし、ランチャーの設定を変更することで起動するものの大体Rosetta2経由での起動になる。新しめのバージョンではきちんとネイティブ動作するらしいが、Mod等のために旧バージョンを使うと若干パフォーマンスが低下する(それでもiMac2013の倍だけど)。
マイクラが使っているJava(JDK)自体がAppleシリコン非対応版であることが原因で、Appleシリコン対応したJDKを引っ張ってきて指定しても正常に起動しない仕様。
これに関しては解決方法が複数あるが、わたしはManyMC(GitHubリンク)で解決。更新停止してるらしいけどHomebrew+記載されているコマンド3行でインストール完了、そのまま進めればほぼ任意のバージョンのマイクラをRosetta2なしのネイティブ動作させられる。M1チップのフルパワーを出せるようになり、動作速度が大きく改善する。
わたしはこの方法で1.8.9を動作させている。(個人的に採掘特化のサバイバルが好きで、最も快適に地下籠り生活出来るのが1.8.9なので)
コストパフォーマンスは良好な部類?
モニターが6万円で本体+キーボードがだいたい11万円、合計17万円。これで非常に長持ちする高性能なノートパソコンとデスクトップ環境が一気に用意できたと考えると、お値段は悪くない。
発売当時10万円のMacBookAirがコストパフォーマンスの良さで評価されていたことを考えれば、デスクトップも含めてこの値段・今後7〜8年はセキュリティアップデートを適用して使えそうな性能なのでおそらく良好な部類。
macOSのアップデートでAppleシリコン限定の機能が毎年追加されており、今後もそういった機能が増えることが予想される。iOSやiPadOSでの同様の事例(A12チップ要求機能など)を見るにあと3〜4年は新機能が追加されていくと考えられ、将来性にも期待が持てる。
後述の通り周辺機器やディスプレイはiPadでも活用できるため、MacBookとの組み合わせだけでなく様々な使い方が出来る。更に買い替える際にもモニターごと変える必要はなく、少なくとも次〜次の次くらいまでの買い替えはノート1台だけを見れば良くなる。
ノートとデスクトップのスペック差が縮まってきている現状を考えると、モニター+ノートパソコンという選択肢は買い替え候補として有力。
iPadとの組み合わせ

ミラーリングしか使えない現状では比率の関係上、左右に縁が出来てしまう
USB-CのiPadと接続することでも、繋いだ周辺機器とモニター内蔵のスピーカー・モニターへのミラーリングが可能。12.9インチiPadProは最大45W前後らしいので(計測はしてない)、PD充電も最速で行える。
上で書いた通りiPadAir4/iPadmini6/iPad10は映像が4K30Hzでの出力に劣化する。それ以外の機種は現状4K60Hzで出力が可能で、おそらくは第5世代以降のiPadAirとUSB-CのiPadPro全機種という基準。M1iPadProのThunderboltは特に活かされているわけでもない様子。
リリース前で試せていないがM1のiPadとiPadOS16.2の組み合わせではステージマネージャ使用時の追加ディスプレイとして使えるようになる予定で、実装されれば最大8Appを同時に扱うための追加ディスプレイにもなる。どう足掻いても追加ディスプレイを操作するためにマウスが必須になるので、そういう意味でもマウスとキーボードをまとめて接続できるUltraFineは相性がいい。
ミラーリング限定の現状では比率合わせのため左右に縁が出来てしまうが、ステージマネージャの追加ディスプレイとして使えばこれも解決するだろう。
接続時の音声出力は基本モニター側のスピーカーで固定になる。ただしモニターのUSB-CポートにDAC(純正USB-C-3.5mmアダプタもOK)を接続しておけば、モニターのスピーカーよりも優先され任意の外部スピーカーやイヤホン・ヘッドフォンで音声が聞けるようになる。
モニター内蔵スピーカーでは流石に音質に難があるので、必要な時にはアンプに入力したりAirPodsMaxの有線モードと接続したりすることで補えるようにしておくといい。
いずれにしても、モニターと接続している限り内蔵スピーカーからは出力されなくなる仕様。
何気にイヤホン端子搭載のiPad+MacのQuickTimeを合わせることで無遅延の音声出力+2画面ミラーリングができていたが、USB-C化とイヤホンジャック撤廃に伴い不可能になっていた。
この辺りの問題もUltraFine+DACでほぼ解決する。ちなみに2画面音ゲーが超捗る。
ユニバーサルコントロールによって1つのキーボード・マウスでMacとiPadの画面を操作出来るようになったので、ミラーリング・ステージマネージャによる拡張だけでなくMacとの組み合わせも考えられる。
Macに2画面+iPad・iPadに2画面+Macなど応用の幅が広く、意外なところで活躍するかもしれない。今後に期待が持てる組み合わせ。
MacBookをデスクトップ環境のまま、ユニバーサルコントロールで近くに置いたiPadを操作するスタイルが無難に扱いやすい。持ち歩きノートとの組み合わせでは拡張の意味合いが強いが、こちらは手元でも操作できる画面を用意するという感覚に近い。

MacへのAirPlay・ユニバーサルコントロール・Sidecar・Thunderboltでのミラーリングを駆使すると、もはや何にマウスとキーボードとモニターが繋がって何を操作しているのか把握できない事態になる。操作手段と画面とアプリを気にすることなく扱えるとも解釈できるが、混乱しないよう慎重に扱いたいところ。
基本はMacにモニター接続を優先しつつユニバーサルコントロールをメインにするのがベスト、必要な時だけiPadをモニターに繋げばいい。iPadOSをマウスとキーボードで操作するには限界があるので、よほどの理由がない限りはmacOSに頼ることが多くなる。




