WindowsソフトをMacで動かすのに仮想マシンとネイティブブートUSBを試したけど、今回は第3の方法としてWineskinServer編。
動かせるソフトは限られるけど、限られたソフトで十分なら一番操作感が良い。しかもAppleシリコンMac、つまりM1/M2含むARM系チップでも使えるのでかなり万能。
実は裏でMacBookとiMacをM1MacBook+外付けディスプレイに統一する方法を模索してて、その準備の一環。M1機への買い替え準備なので脱Windows。
ちょい説明
WineskinServerとは
Winソフトを動かすツールとして鉄板のWine。最低限のWindows環境を含むパッケージ的なものを用意し、そこに動かしたいアプリを載せるスタイル。Wineskinはそれを使ったツール。
Macの場合、appファイル1つの中に実行するWindows環境・設定ツールと実行するソフト本体が全て格納される(つまりサンドボックススタイル)。そのため複製や管理が非常に容易。他OSは知らない。
このWineskinはmacOS Catalinaでの32bitサポート終了の影響をモロに受けているため、32bitのWindowsソフトはCatalina以降では一切使えない。
macOS用のAppで代替不可能なWindowsソフトなんてほとんどが過去の遺産なので、当然32bit排除の影響をモロに受ける。そこでWineskinを非公式に改造して32bit/64bit変換レイヤーを積んだWineskinServerの登場。
同じようなことがCrossOverという有料ツールでも出来るんだけど、WineskinServerは無料なのでお財布に優しい。ただ使いやすさは流石にCrossOverの方が上。
動かすために必要なランタイムやフォント等を手動で用意しつつ試行錯誤するのがWineの基本なので、動かないソフトも結構多い。
今回載せるのも「こうやったら動いた」であり最適解とは限らないので注意。そこまでの試行回数は重ねてないので。
Wisdom-EXとは
今回動かしたいソフト。元は2004年とかからあるクッソ古いポケカのシミュレータで、それを別の人が最新カードや現環境のPCに合わせてアップデートしたもの。
元が古いので32bit環境が必須らしく、よってWineskinServerも必須。
準備
今回はWisdom-EX。他のソフトでも準備物はそんなに変わらない。
・任意のMac
当たり前。今回はいつもの21.5インチiMac(Late2013,Catalina)&12インチMacBook(Early2016,Monterey)の2台で同じ手順を検証済み。
ソフト1つにつき1GBくらいのストレージ容量が別途必要。これはソフトごとに最低限のWindows環境を用意する仕組みのため。
・動かしたいアプリ本体
実行ファイル含むフォルダかインストーラーのどちらか。
実行ファイル以外の必要なファイル群もまとめてコピれるし、後からインストールとかも可能なのでそこは気にしなくてOK。仮想環境みたいなものをアプリごとに作れると思っていい。
・Win内蔵フォント、MSゴシック/MS明朝計5種
難題。ソフトによってはWine側で用意出来る代替フォントでも良いんだけど、今回のWisdom-EXは代替フォントだと表示不良を起こしたので本家を引っ張ってきた。MSゴシック/MSPゴシック/MSUIゴシック/MS明朝/MSP明朝の5種があれば大抵のソフトに使える。
実行可能なWindows環境(C:/Windows/Fonts)から引っ張ってくるのが鉄板。いつぞやのWin環境入りUSBなら直接システムファイルを覗けるので簡単に引っ張ってこれるし、仮想環境やBootCampでもいい。
最近はM1以降でも無理矢理Win11の仮想環境組めるらしいので最悪それで。
フォント5種のttcファイルを引っ張ってmacOS上にインストールしておく。WineはmacOSにインストールしたフォントを必要に応じて参照するので、インストールだけすれば後は設定不要。
・忍耐
結構大事。100回くらいひたすらEnterキー叩かされたり、いつまでか分からない待ち時間を何度も要求されたりするので。しかも動かなかったら全部チャラ。
お休みの日にゆっくり時間ある時にやりましょう。
手順
サクサクと。待ち時間多いので注意。
1:WineskinServerの導入
今回はHomebrewを使う方法で。Homebrewはとりあえずコマンド版アプリストアみたいなやつって認識でOK。有名ツールだしHomebridgeでも使うので知ってる人も多いかも。(ちなみにわたしは初めて見た時WiiHack界のHomebrewChannelを連想した。こっちのが知らない人多そう)
1-1:Homebrewの導入
公式に載ってるコマンドをターミナルにぽん。パス打ってEnter押してれば始まるので放置。
クッソ時間かかる。
1-2:WineskinServerの導入
ターミナルで以下のコマンド。こっちは割とすぐ終わる。
|
1 |
brew tap gcenx/wine |
んで次にこれ。超時間かかる。
|
1 |
brew install --no-quarantine unofficial-wineskin |
終わり。アプリケーションフォルダにWineskin Wineryとかいう謎の存在がいるはず。これを実行すればちゃんとしたウィンドウが出てくるので次へ。
2:実行環境の構築
実行するためのエンジンを用意する。
2-1:Wineエンジンを落とす
トップ画面で+ボタン。「New Engine(s) available!」の左にあるやつ。
Add Engineウィンドウが出たら「WS○○WineCX○○」ってなってるやつを選んで落とす。今回はWS11WineCX21.2.0。CXが32bit/64bit変換レイヤー入ってるやつなので絶対それを選ぶ。
32bitソフト用と64bit用があるのでソフトに応じて。Wisdom-EXは32bitしか動かなかった。困ったら両方落としておけば後で切り替えられる。Download and Install押して待ち。そこそこ待たされる。終わったらトップ画面に戻される。



終わったらWrapperを落とす。実行環境を含んだ小さい仮想環境の原型みたいなやつ。
下の方にある「Update」、特に何も弄らずOK押して待つ。まあまあ待たされる。終わったらまたトップ画面。


2-2:ソフト実行用の環境を作る
トップ画面からCreate New Blank Wrapper。さっき落としたものをベースにソフト用の実行環境を作っていく。
ウィンドウが出たらappファイルに名前を付ける。これが完成系になる予定のappファイルなので実行したいソフトの名前を付けておく。めっちゃ待たされる。



終わったらOKボタン、そしてWineskin Wineryとかいうよく分からないものも終了して良し。今作ったやつがアプリケーションフォルダにいるので実行すると今作った実行環境の設定ツールが起動するので次へ進む。
ちなみにユーザーフォルダ内のアプリケーションフォルダ→Wineskinに実体がある。覚えておくと便利。

サンドボックスは撤去が楽で良い。
3:実行環境の整備
運が悪いと試行錯誤の連続。今回はWisdom-EXで成功した手順で。
3-1:ソフト本体を配置する
環境が空だと初期設定ツールが開くのでそのままInstall Software。
インストーラ使うなら一番上の「Choose Setup Execxutable」でインストーラ選んで実行。
インストール不要系なら「Copy a Folder Inside」で実行ファイルを含むフォルダを選ぶ。今回はこっち。ちなみにサブフォルダの実行ファイルも選べるので気にせず必要なフォルダを選んでOK。
フォルダを選ぶと実際に起動するための実行ファイルを選べって言われるので、Wisdom-EX本体のexeをチョイス。OKを押すと初期設定が終わってメイン設定ツールに移行する。




3-2:必要なランタイム等を揃える
ToolsタブでWinetricksに移動。この画面で.NETとかDirectXとかの必要なものを揃える。


一応真ん中のSilentのチェック外して、必要なものにチェック入れてRunでインストール。まとめてでも出来るけど個別推奨。
Wisdom-EXではdllsにある「dotnet20」「DirectPlay」「mdx」の3つが必要。
代替フォントもここで入れられるので必要なら入れておく。後からでも入れられる。ただし上に書いた通りどうせWisdom-EXは本家フォント必須なのでスルーでOK。



Runを押すと場合によっては例のセットアップ画面が出る。
ちなみに何故個別推奨かと言うと・・・

ツールによっては結構な頻度でこれが出てくる。たぶん出力されたログが表示できないよー助けて!ってエラーなんだけど知らんわボケ、作業が終わるまで延々と出し続ける上に全部ちゃんと消さないと終わらないからクッソ面倒臭いマジでくたばれ。
試した感じdotnet20の時だけ出た。ただし3つまとめて入れると全部終わるまで出っ放しで終わらないことに萎えて途中で作り直した。
インストーラのウィンドウを片付けた後、Enterキーの上に適当な物載せて連打状態にすればエラー飛ばせるので終わるまで放置。

必要物が全部揃ったらWinetricksを閉じてTest Run。動けば成功、動かなければdllsや他設定がっちゃがちゃして調整。

成功。完璧超綺麗。これでネット通信・対戦も可能。
ここまで行けば一旦閉じて、設定ツールも閉じちゃってOK。次以降はappを直接実行でOK、設定ツールを開きたければappを右クリック→パッケージの中身を覗いてWineskinをダブルクリックすれば開ける。
Wisdomの場合デッキエディタもあるけど、appを丸っと複製して名前変えて、片方だけ設定ツールで実行ファイルをデッキエディタに変えれば十分。
デッキエディタからmacOSのデスクトップにちゃんと書き出し出来るので別Wrapperでも問題なし。ユーザーフォルダとかその辺の割り当てはWineが綺麗にやってくれる。
ちなみに本家フォント以外だとこんな感じになってまともに使えなかった。

ウィンドウ内部の右側が見切れてしまって使えない。Wisdom-EXだとテーブルに入った後に2P側として参加できないとかいう致命的な欠陥があるので没。
こうなるので本家フォントが必須だった。Wine上で用意出来る日本語の代替フォントは3種類くらいあるけど全部ダメでした。
完成

とまぁここまでで分かる通り、1ソフトごとにこれなので構築がかなーり面倒臭い。場合によっては仮想マシンの方が楽かもしれないレベル。
でも仮想マシンと違って仮想マシンツール→マシン本体起動の過程を必要としないのでスムーズ。ウィンドウ管理も楽で、macOS用のAppのように扱えるので一番綺麗ではある。
出来る限りはmacOS用Appで、無理なソフトをこれで揃えて。出来るだけWindows脱却出来れば、省電力超スペック高コスパなAppleシリコンへの移行もいい感じに進む。
脱Windowsで目指すもの
とりあえずはiMacとMacBookの2台構成なのをなんとかしたい。サポートを気にして2台買い替えは重すぎるし、部屋に常時設置稼働のMacminiが来た今、iMacの役割がマジでない。
iMacが音楽ライブラリ・軽いPCゲームくらいで、どう考えてもMacBookでいい。ただうちの12インチではスペックと画面が足りないのでそこをどうするか。
ノートPC+外付けディスプレイはデスクトップPCになれるか?
とりあえずはM1MacBookAirとThunderboltの外付けディスプレイを検討中。LG UltraFine 4KとかならApple共同開発らしいので色も信用できるし、背面のUSB-Cにマウスとか繋げばMacBookをケーブル1本でデスクトップ化出来る。Studio Displayは理想だけど流石に高い。
昔はこれでもキツかった。ノートには排熱やノート用CPUの性能問題があって、操作感と画面サイズだけデスクトップにしたところでどうしてもノートらしい限界を感じることがあった。
でも今はAppleシリコンで省電力かつ高性能で排熱も少ないし、デスクトップ用途でも通用する性能とノートでも通用する熱量を兼ねてる。
言ってしまえばM1iMacとM1MacBookAirは両方ともほぼ同じ性能で同じ発熱、それでどちらも快適なんだからMacBookAirにディスプレイ外付けしたってiMacとほぼ同じ動作が期待出来るというわけ。
ついでに言うとM1チップの高性能っぷりはiPadProで証明されてて、これも信用出来ることを確認済み。というかどうせPCゲームもマイクラとWoTBくらいしかしないし、M1で支障ねえなって感じ。
ついでに外付けディスプレイをMacBookとiPadProで使い回せるようになるので、iPadOS16のステージマネージャもフル活用。M1iPadPro屈指の無駄機能ことThunderboltも活かせるしいいことずくめ。
割とiMacいらんな。
ストレージ問題、そしてWindows依存問題
完全移行するにはこの2つの問題が立ちはだかる。
ストレージに関してはほとんど問題ないんだけど、唯一ミュージックライブラリだけ結構な容量を食う。
かといってMacBookは大容量チョイスすると価格が爆上がりするし、後から拡張する手段も乏しい。M1Pro/MaxのMacBookProならSDカードが手軽だけど、Airではちょっと厳しい。
そもそもミュージックさえなければ128GBですら足りるのだから、ミュージックライブラリの母艦はMacminiに任せてしまえばいいかと考え中。
同一LAN内なら遠隔操作で弄れるし、SSD+HDDの構成且つ外付け拡張も容易なので適任。どうせiCloud同期なので一度ライブラリに突っ込めばMacBookでも聴けるようになる。CDドライブだけMacminiに繋いでおけば問題なし。
もう一つ、Windowsへの依存度。これはわたしの場合使うソフトがそれほど多くなかったのでほぼ解消出来そう。
そもそもMacminiに仮想Windowsを仕込んでいるので、ゲーミングマウスの設定ツールとかそういう類のものはこれだけで事足りる。
あと出番がありそうなのはBedrock版のMinecraft(Win10Edition)とVOICEROID・Wisdom-EXくらい。このうちVOICEROIDは軽量なので、ほぼ仮想マシン遠隔で行ける。そしてWisdom-EXは今回解決した。
キーマウ信者なので他人とのマルチを考えてマイクラWin10は必須だと思っていたけど、iOS版Minecraftが今年7月にキーボードとマウスでの操作に対応してしまったのでiPadProでやればいいじゃんというお話に。キーマウでスマホとマルチ出来るからベータ時代に買ったんだけど、1000円返せMicrosoft
iPadPro+Thunderboltディスプレイにキーマウ合わせれば実質Win10Editionで収まりも良い。
意外といけそう・・・?
ノート運用出来る省電力と排熱でデスクトップに匹敵する性能を持つAppleシリコンの登場と、iPadOSのステージマネージャによる外部ディスプレイサポートがかなり大きい。
ユニバーサルコントロールやiPhoneのWebカメラ化といった新機能にも追いつけるし、M1チップなら実性能も今のiMacの3倍はあるのでRosetta2込みでもかなりの強化。
しかも今まで12インチMacBookのUSB-C1ポートでやりくりしてきた人間なので、ポート・性能両面でM1Pro/MaxやM2を選ぶ理由はゼロと言っていい。
難点としては12インチのサイズ感を失うこと。これは結構痛いけど、今iPadProを持ち歩くのに使っているバッグは13インチMacBookAirも収納可能なので特に問題はないはず。よって移行準備は今回で完全に整った。
あとは金銭面。売却込み・ディスプレイ中古+新品M1MacBookAirで累計10万くらいと見ているけど、いつ買うかなぁ・・・という感じ。




